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エスが続く
【OL/お姉さん 官能小説】

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1. Someone to Watch over Me-18

 快美が強烈すぎて、もう深く考えることができなくなった。平松とこんなことをしていてはいけないのは重々承知しているが、今は一旦最後まで終わらせて、それから考えよう。目先の享楽に身を預ける踏ん切りをつけた悦子は、そうしたことで一つの不満が頭をもたげてきた。平松の舌は悦子に言いようもない快楽を与えてくれているが、そのせいで体がもっと深く強い刺激を求めてしまう。なのにずっと平松は悦子の脚の間にキスをし続けていた。もどかしい。この次を早くしてほしい。
 だがそんなことを悦子の方から願い出るのはあまりにも羞かしすぎた。平松と自分の関係、上司として取るべき態度を省みるととても言えなかった。そう逡巡している間にも平松の舌に翻弄される体は、とめどなく蜜を漏らし、そして彼に舐めとられ続けた。悦子が何も言えないまま混迷しているのに、平松は構わずずっと淫猥な音を鳴らしながら、しかし真摯に悦子の体に接吻していた。
「……、も、もうっ!」
 信じられないくらい長い時間、平松に花唇を吸われて、もう耐えられなくなった悦子は声を上げた。「い、いつまで舐めてんのっ……!?」
「ずっと、してれます」
「んっ……、だ、だからさ、……えっと」
 快楽に任せていざ言おうとしたが、少しでも躊躇したら続きが出てこなかった。
「何ですか?」
 脚を下ろし、久方ぶりに顔を離した平松は、悦子の方を見上げながら乱れたショーツの両端に手をかける。
「……」
 改めて顔を見られると、悦子は結局黙りこくって顔を隠した。可愛いですね、と言われて、ショーツがするすると脚から引き下ろされていった。何も覆うものがなくなった場所を再び広げてくる。油断して茂っているヘアが完全に蜜と平松の唾液に塗れてしなり、その下では悦子の呼吸に合わせて秘門がひくついていた。また近くに息を感じる。熱く湿った息が花唇に吹きかけられただけで耐えられなくなった。これ以上続けられない。
「だからっ!!」
「何ですか?」
「……だからさぁ……」
 覆った手の下で思わず涙声になってしまった。何泣いてるんだと自分が恥ずかしくなった顔を隠す手首が掴まれて、頭の両側のシーツに押し付けられた。真上から覆いかぶられて見下ろされる。
「……何?」
「はぁっ? なによっ、その言い方」
「どうしてほしい?」顔を近くに寄せられて囁かれる。「……悦子」
「なっ……」
 急に丁寧語無しで、しかも呼び捨てにされて、ゾクゾクッと首筋から背中を戦慄が駆けた。「なに気安く呼んでんのよっ!!」
 瞳が潤んでいるのは自分でも分かっていた。その顔を正面から見据えられて、横を向いて逸らしたかったが、呼び捨てにされた憤りと、なのに体が妖しく反応していることを隠したくて、顔を真上に向けて平松を鋭い瞳で見返す。
「昨日、『名前で呼んで』って何回も言ったよ? 感じながら。名前で呼ぶと、更に感じた」
「い、言ってないっ」
 言った気がする。平松が身を下ろしてくる。真上から密着されて抱きしめられる。適度な重み。恵まれた容姿ではない、緩んだ体に包まれる感触が悦子を蕩けさせていく。耳元に息が吹きかけられて肩が竦んだ。
「悦子……。していい?」
「んっ……」
 耳はかなり強い性感帯である上に、また名前を囁かれて胸が疼く。「……、す……、すれば……?」
「素直に言えばいいのに」
 ムカッとした矢先、平松が密着して抱きつきながら身をもぞもぞとさせてトランクスを脱いでいくと、柔らかい胸と腹の感触の中に、一際硬いモノが悦子のヘソの辺りに押し付けられた。記憶が蘇る。そんな体をしているくせに、ソコは今までの男の誰よりも逞しかった。
 何考えてるんだ、とこれ以上赤らめようがない顔から火が出そうになった悦子の枕元に落ちていた箱からビニール袋に封されたコンドームが取り出される。
「……こ、こんなの持ってたの?」
 そうそう、部屋にコンドームを常備しておくのは女の嗜み――、そんなわけない。悦子は何故ここに避妊具がきちんとあるのか、思わず問いかけていた。
「昨日、買ってくれたけど」
「……誰が?」
 買ってくれた、と言っているのだから、他の誰でもない。
「駅前のドラッグストアで、酔っぱらいながら大きな声で、ゴムください、って」
 ……もうあの店には行けない。
 昨日の酩酊ぶりに、この部屋に辿り着くまでに他に何をしでかしているやら知れず頭を抱えて悶えている間に、コンドームを装着した平松が脚を割って体を入れてきたから、ハッとなって足元を見やると、想像していた通りの大きさだった。白いぽっちゃりとした体から異質に長めの男茎がニュッと突き出ている。何かを言おうとしてやめた悦子に向かって、薄いピンクの皮を纏って脈動に揺れている男茎の根元を持って体の中心へと押し当ててきた。
「挿れるよ?」
「……そんなの言わんでいいっ」
 安っぽいAVじゃあるまいし。だが先端の感触を感じて平松の言葉を聞いた悦子の体は、それだけで新たな潤いを示していた。


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