投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

悠久の恋の果てに
【ファンタジー 官能小説】

悠久の恋の果てにの最初へ 悠久の恋の果てに 31 悠久の恋の果てに 33 悠久の恋の果てにの最後へ

-2


「気にするなよ」
「手をつなぐならあんみつは食べにはいかれません」
「分かったよ」

ふたりは無言で歩き出した。
坊ちゃんの数歩後をみさをが歩いてついていった。

「みさをはあんみつを食べているときは幸せそうだな」

何もかもこの瞬間以外なくなればいいのに。

そう言った坊ちゃんの顔が悲しそうに微笑んだ。
2人を見ていて沸き起こった何とも言えないさみしい感情を
私はどうすることもできなかった。

一体ここは何処なんだろう?
私が見ているものは何だろう?
今の・・・日本ではないような・・・

そのうち私の見ている場面が大きく歪んだ。
ぐにゃりと歪んだ空間がゆっくりとほどけていき
次に現れたのは
どうやらあの屋敷の中の部屋のようだった。

「みさを!今日会った伊太利亜の商人に面白いことを聞いてきたぞ!」

仕事先から帰ったのか坊ちゃんが興奮してみさをを呼びつけた。

「なんですか?」

二人共少し大人になってる。
さっきの場面から時間が経っているのかな?

「伊太利亜語でミオとは『私の』という意味らしい。通訳が言っていた」
「はぁ・・そうですか」
「みさを。みさをのことをこれから『みを』と呼ぶことにする」
「え!」
「僕のという意味だ。これなら誰にも分からないだろう」
「坊ちゃん」


悠久の恋の果てにの最初へ 悠久の恋の果てに 31 悠久の恋の果てに 33 悠久の恋の果てにの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前