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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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ふがいないや-4

自分の器の小ささにうちひしがれていると、胸ぐらを掴んでいた修の手が、ドン、と俺を突き飛ばした。


弾みで身体がドサッと折りたたみ椅子に沈む。


呆気に取られて修を見上げると、奴はチッと舌打ちをしてから口を開いた。


「んで自分から別れようって言ったくせに、やっぱり元通りに戻りたいだ? てめえ、沙織をどれだけ振り回すつもりなんだ?」


「…………」


修の言葉に、俺は頭を鈍器で殴られたみたいな衝撃を受けた。


「さっきの温泉で、沙織、石澤と本間にだけ全部話して、ずっと泣いてたらしいぞ」


女性陣がやけに長風呂だったのは、そういう事情があったのか。


石澤さんと本間さんの前で泣きじゃくる沙織の姿を想像すると、もはやいてもたってもいられない。


「どうしよう、俺……」


瞼の奥がチリチリ痛んでくる。


今すぐ沙織のとこに行って、土下座してでもさっきの言葉を撤回させてもらわなければならない。


なのに、こんな時でも脚がガクガク震えて動けないなんて、どこまで俺はヘタレなんだろう。


俯いたままの俺に、修は小さくため息を吐いた。


「沙織は別れたくないみたいだし、オレも別れて欲しくないって思ってたよ」


「修……」


「でも、今のてめえ見てたら、今はしんどくても別れた方が沙織のためになるような気がしてきた」


普段からふざけてばかりの修の、一切ふざけないその口調は本心なのだろう。


俺の行動に、ずっと応援してくれていたはずの修の、突き放すような言葉。


「てめえみたいなヘタレに沙織はもったいねえよ」


修は最後にそう捨て台詞を吐くと、掃き出し窓からリビングに入り、キッチンで野菜を切っている女性陣の所に歩いていった。



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