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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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I'M A LOSER-2

「……おい」


州作さんが海の家に入っていき、細身の後ろ姿が見えなくなった頃、ようやく発せられた声に振り返れば、三人衆のバツの悪そうな顔があった。


呼び止めたのは蛭間くん……あれ、別所くん?


まあ、いいや、とにかくマッチョが呼び止めてきたのだ。


報復でもされるのか、と冷や汗がこめかみを伝ったけれど、予想に反して奴は頬を人差し指でポリポリ掻きながら小さく頭を下げた。


「その……なんだ……、悪かったよ」


照れ隠しなのか、ぶっきらぼうに謝るその姿にまたまた呆気に取られてしまう。


それを皮切りに坊主とタトゥーも、俺と沙織に再び謝罪をしてきたのだ。


呆気に取られて何も言えなくなってる俺達に、マッチョが目を泳がせながら、口を開いた。


「歩仁内さんさ、今でこそああいう爽やかなイケメンなんだけど、昔は喧嘩最強で、めっちゃ怖かったんだ」


「え!?」


“喧嘩最強”という言葉のせいで、あの爽やかイケメンが俗にいう“ウンコ座りして煙草をふかす”ヤンキー姿が勝手に浮かんでしまう。


そしてそれがあまりにも現実離れし過ぎるもんだから、思わず声をあげてしまった。


そんな俺を察したのか、マッチョは慌てて顔の前で手を振った。


「つっても、あの人はヤンキーってわけじゃないんだ。実際頭がすげえよかったし、生徒会長だし。

……それでさ、オレらの時代の中学はちょっと荒れててさ、喧嘩なんて日常茶飯事だったわけよ。

ま、中学生なんて、悪い方がカッコいいみたいなとこあるだろ?

だから、ヤンキーがとにかく幅をきかせていたんだ。

だけど、そんなヤンキー共を全く怖がらない、正義感の強い男がいてさ、それが歩仁内さんだったんだ。

真面目な歩仁内さんは、喧嘩を止めてやるっていつも躍起になっていたんだけど……」


マッチョの話しぶりは、まるで読み聞かせをするみたいに感情がこもっていて、作り話なんじゃないかと錯覚してしまうほど。


だけど、一向にニヤリともしないタトゥーと坊主の様子から、それはすべてノンフィクションであることが伺える。




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