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『初めての...』
【その他 官能小説】

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『初めての...』-1

『期待する』から『反応がない』と『傷つく』のだ。

私、相田真希はいわゆるフツーのOL。
最近このことに気付いた。
今まで何の気なしに繰り返してた、海外に留学してる『少し気になったことのある後輩』早川剛志との他愛のないメール。
テストや交流会、合間をみての旅行などで忙しいのか、メールをするようになった当初、翌日には来ていた返信が最近なかなか来ない。
海外での生活、治安も良いのか悪いのかわからないし。
風邪で寝込んでるのかな、実はカノジョができて忙しいのかしら、でも彼は勉強しに行ってるのよね?など自問自答して。
とにかく心配でもう一度メールをすると『すみません、返信したかと思ってました』、、、。って何?!
一人で心配して変に勘ぐって、一方通行だなぁと改めて感じた。
私はただの先輩なのかしら。そこで私はハッとした。
こんなにヤキモキして、私は彼が好きなのかしら?
でも、彼には勉強を頑張って欲しいし、メールはいつも私からだし、ただの先輩としか見られてないだろうし、やはり見込みはないわ、、、。
封印しなきゃ。
メールするのはしばらくやめよう。
そうして、答えを導き出した私は『期待する』のをやめたのだ。

それが数週間前。
たくさん予定を入れて、なるべく彼の事を考えないようにしてた私の携帯にメールが届いた。
クラスメイトとの飲み会から帰宅したという彼からのメールだった。
そこには、、、。
『相田さん、最近メールくれないね。どうしたの?何かあった?
なんかモヤモヤするんだ。今日は大して飲んでないのに悪酔いしちゃったよ。』
って。私が嫌がってた敬語がない文章で、固く鍵をかけてた私の想いを、いとも簡単に解き放たった。
もう夜中だったし、無性に腹が立った私はソッコー返信した。
『お疲れ様です。
水飲んで早く寝なさい!』
二行のメール。
我ながら、可愛くない。
二分後、すぐに返信が来た。

『ねーどうしたの?オレ何かした?』

ググッってきた。
もう知らない!全部ブチまけるわっ!
私は自分の気持ちを親指がジンジンするのも構わず、打った。

いつも私からしかメールしないこと。
返信を忘れられてショックだったこと。
剛志の身体が心配でも『ウザい』と思われたくなくて、あまりメールできなかったこと。
カノジョができてしまったのではないかとヤキモチを妬いたこと。
つまり、私は剛志が好きだということ。
子供が書いたみたいなメールを送信した時、私は半泣きだった。

10分以上経ち何も鳴らない携帯を置き、『もう終わりだわ!』と、ふて寝しかけたその時、電話がかかってきた。
知らない番号。海外からみたいな、、、。
『っ?!早川剛志だ!!』
迷ったけど、意を決して通話ボタンを押した。

『もしもし?』
久しぶりに聞く彼の声。
涙が出た。こんな状況でも、声が聞けて嬉しいのだ。
『もしもし?相田さん?オレだよ、わかる?』
なかなか喋らない私の名前を呼ぶ彼。
『もしもし、、、。』震える声で、私は応えた。

『よかった!通じた!元気?』
って、コイツ、、、。
『なによ!すぐに返信しなさいよっ!』
って私、かなりヤバい。
『電話番号調べるのに、日本で使ってた携帯探すの大変だったんだよ!簡易充電器もね!』
それに応えず鼻をすする私の音を聞き、彼は。
『どうして泣いてるの?オレの声聞きたくない?』
『っ!違うわよ!私のメール読んだでしょ?!ばかっ!』
『読んだよ!メールじゃダメだと思って電話したんだよ!ちょっとオレの話を聞いて!』
いつになく、強気な彼の声に私は無言で応えた。


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