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鍵盤に乗せたラブレター
【同性愛♂ 官能小説】

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気持ちと身体-5

 うららと入れ違いに勇輔が入ってきた。そして怪訝な顔をした。
「なんだ、冬樹、妹と何かしてたのか?」
「べ、別に、ただ話してただけだよ」
「ほんとか?」
 勇輔は手に持ったコーラを一口飲んで、冬樹の前にしゃがみこんだ。
「おまえ、まだうららのこと……」
 冬樹はむっとしたように勇輔を睨み大声を出した。「僕を信用してよ! ほんとに話してただけだって」
 勇輔は、びっくりしたように一瞬肩を震わせた。

 少しの間の沈黙が流れた。

「ご、ごめん、冬樹」
「……信用してよ」冬樹の声は少し震えていた。「僕、そんな器用な男じゃない」

 勇輔はうつむいた冬樹の肩にそっと手を置いた。そして顔を上げさせ、その潤んだ瞳を見つめた。
「ごめんな、冬樹」勇輔は優しい笑顔を作った。「俺、おまえしか見ないから、おまえも俺だけを……見てくれ」
 そして二人は柔らかく唇を重ね合わせた。

 勇輔は冬樹の耳に口を寄せ、囁いた。「いいか? 冬樹」
 冬樹はこくんと頷いた。


 勇輔と冬樹は、立ち上がり、着ていた服を脱いだ。そして二人とも下着一枚の姿になった。
「ジョックストラップ……」
 冬樹は逞しい勇輔の身体を見て頬を赤らめ、ごくりと唾を飲み込んだ。
「ちょっといやらしいか? やっぱり」
 冬樹は首を横に振った。「全然。僕そんなの好きだよ」
「そうか。良かった」
「先輩の水着姿にもとっても興奮したけど、それもとってもセクシー。いつもそんなの穿いてるの?」
「ああ」
「着替えの時に、何か言われない?」
「水泳部の奴らにはエロ勇輔って言われてっけどな」
「先輩は平気なの?」
 勇輔は肩をすくめた。「全く気にしてねえよ。これが俺のスタイルだかんな」
 冬樹は誇らしげに勇輔の目を見つめた。「強いんだね、先輩」
「そんなんじゃねえけどよ……」勇輔は頭を掻いた。

「って、おまえもなかなかきわどいパンツじゃねーか」
 冬樹は黒のビキニタイプの下着を穿いていた。
「こんなの、嫌い?」
「萌えるね」勇輔は笑った。「こないだプールサイドでもこんなんだっただろ? そんなおまえの姿見てっと、飛びかかりたくなっちまう」
「いいよ、飛びかかっても」
 冬樹はそう言うなり、自分の方から勇輔に抱きついた。

 二人はそのままきちんとカバーが掛け直されたベッドに倒れ込んだ。そして冬樹は勇輔を下に押さえ込んで、激しく口を交差させ、舌を差し込みながら熱い吐息をその中に吹き込んだ。
 勇輔はうっとりしたように目を閉じ、冬樹の華奢な背中を抱きしめながら小さく呻きながら、情熱的な彼のキスに応えた。

 冬樹は口を離し、勇輔の目を見つめて、恥ずかしげに微笑んだ。「先輩、ごめん、僕、乱暴だよね?」
「俺はこういうシチュエーションが好きだ。気にすんな。もっとワイルドでもいいぜ。だけど、」勇輔は冬樹の鼻を人差し指でつついた。「眼鏡ぐらい外したらどうだ? 焦りすぎだぞ、冬樹」
 そして勇輔はそっと冬樹の眼鏡を外し、ベッド横のサイドテーブルに置いた。
 冬樹は身体を起こして照れたように頭を掻いた。

「おし、冬樹、下になれ」
「え? う、うん……」
 勇輔は冬樹をベッドに仰向けに横たえた。そして唯一身につけていた小さな下着の脇に手を掛け、ゆっくりと下ろし始めた。

 冬樹はぎゅっと目を閉じていた。

 黒い下着が脚から抜かれると、跳ね上がった冬樹のペニスが先端から透明な液を飛ばした。
「すげー、冬樹、もうこんなになってるぜ」
「は、恥ずかしいこと言わないで」冬樹は両手で自分の顔を覆った。
「こないだのお返し」
 勇輔はそう言って、躊躇わず冬樹の熱く脈動しているものを両手で握った。
「あっ!」冬樹は慌てて頭を持ち上げた。「先輩ー」
 勇輔は、すでに紅潮させた顔を冬樹に向けた。
「どうした? 冬樹」
「ちょ、ちょっと、恥ずかしいよ」
「なんで?」
「だ、だって、それ、人に触られるの初めてで……」
「うーん。確かに俺もちょっと恥ずかしい。自分以外のものを触るの初めてだかんなー」
 勇輔はしばらくの間、冬樹のその温かな持ち物を撫でたりさすったりした。
「先輩ー」冬樹は両手でまた顔を覆ったまま、情けない声を上げた。
「おお! すげえ。もうこんなにでっかく……」
 冬樹のそれは勇輔の手の中で硬く、大きく反り返り、どくんどくんと脈打ち始めていた。
「カウパーもいっぱい出てっぞ、冬樹」勇輔は面白そうに言った。
「は、恥ずかしいコト、言わないでよっ!」冬樹は息を荒くしながら顔を上げた。
 上目遣いで彼と目を合わせた勇輔は、小さな声で言った。「こんだけ硬けりゃ、大丈夫だな。冬樹、俺に入ってきてくれ」

 冬樹は身体を起こし、仰向けになった勇輔の逞しい身体に覆い被さるようにして、じっと彼の目を見つめた。
 下になった勇輔も息を弾ませながら言った。「やってみてくれ、冬樹」
 冬樹は決心したように一度頷くと、勇輔の白いジョックストラップに手を掛けた。
「あ、冬樹、そのまま……」
「え?」
「脱がせねえで、そのままで……」
「う、うん。わかった」


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