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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼の居ない世界-4

人気が無く、薄暗い天気な住宅街。俺は憎い娘の敵が居る一軒家へ外支度も何も無く手ぶらで足をツカツカと運ぶ。

あの野郎の顔が頭に浮かぶ。アイツのせいで、アイツのせいで娘が杏が引き籠って、小樽から戻って以来、娘から笑顔がぷっつりと消えた、夜な夜な泣き声が聞こえくるくらい。

目的の一軒家が見え、憎しみを抱き建物がどんどん大きくなり。

「はい?、!貴方は…確か。」

インターホンを鳴らし、出てきたあの野郎の母親、俺を見て少し驚いた様子、まぁしばらく会っては居ないが、一応顔は覚えていたそうだ。

「どうも、お久しぶりです。」
「何の御用でしょうか…。」

心当たりがあるのか、少々ビクついた様子。ダガ俺は容赦なく攻めより。

「アイツ、絆クンは今も病院に?。」
「……そうですよ、一人病と闘って…。」
「へぇ、ウチの娘も闘って、いや苦しんでますよ?」
「……。」
「小樽から帰って来て暗い表情で、今はもう引き籠って不登校ですよ。」
「………それで?」
「!……。」
「それがウチとどう関係が?」
「とぼけないでくれますかね?お宅の息子のせいで娘は深く傷ついてるんです、あれだけ
前向きで明るい子が、あんな事に…。」
「……確かに、原因を作ったのは息子かも知れません、でも悪意があってそうした訳ではないでしょう?あの子だって杏ちゃんがそうなる事を最後まで恐れていて、何とかしようと必死だったの!。」
「それは……。」

彼女にそう言われ、ハッと我に返る。

「こっちだって苦しいんです!八つ当たりも大概にしてくれます?。」
「………、スミマセン、娘があまりにも苦しんでいるもので。」
「言っても何も解決しないんでしょうけど…、本当に御免なさい、私も病院で先生から息子は助からないと言われ杏ちゃんが勢いよく走り去ったのを見かけました。」
「貴女は、娘以上に傷ついているのに…。」
「杏ちゃんの痛みは私と全く同じ、引き籠りたいのは山々ですが、私は大人なので。」
「ホント、申し訳ありません…一時的な感情で、一番傷ついている人に、そんな。」
「いえ、お気持ちは良く解ります、杏ちゃんが一日でも早く立ち直れる事を願っております、織原サン。」

自分への戒めを含め深々と頭を下げ、この家を後にする。


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