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good communication
【若奥さん 官能小説】

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キレイになってラブラブデート大作戦-8

そんなヒロさんの後ろに回り込んだ天童さんは、ニヤニヤしながら、


「まあ、誤解しても無理ないわ。あんただって女物の服を好き好んで着てるじゃない」


と、ヒロさんの細い身体をガシッと抱き締めた。


「だって、レディースものの方がたくさん可愛いのあるし! それに、あたしの方がそこらの女よりよっぽど綺麗に着こなせるし」


「まあ、そうね。ヒロよりいい女なんて、そうそういないわ」


端から見ればイケメンと美女がイチャイチャしてる構図なんだけど、実際のこの人達は男同士で、兄弟で、兄はオネエで弟は女装癖があって……。


あまりの展開に目がチカチカしてきて、頭がクラクラしてくる。


平々凡々な人生を歩んできた私にとって、天童さんもヒロさんも、あまりに異質な人種だから、すっかり意識が飛びそうになった。


「おっと、ふざけてる時間はないんだった。アタシがなんであんたを呼んだのかってとね」


アハハウフフとイチャついていたアブノーマル兄弟の兄の方が、我に返ったようにヒロさんから離れた。


「あんた、里枝ちゃんに服貸して上げなさい」


「は?」


「ホラ、旦那様とのデートにこんなカッコでいこうってのよ、この娘」


親指で私を指差す天童さんに促され、ヒロさんの視線が私に移る。


まるでお姑さんが嫁のあら探しをするかのような、じっとりした視線に、私は蛇に睨まれた蛙になってしまった。


「ああ……」


その、トーンの下がったため息混じりの声が、グサリと胸を刺す。


ごめんなさい、ダサくてごめんなさいぃぃ!


独身の頃と違って、ファッション雑誌なんて買わなくなっちゃったの!


しかも31歳って、若過ぎるファッションは厳しいし、かといってもうちょっと大人びたファッションに移行する心構えも持ってないし、ファッションに関してはすっかり無頓着になっちゃったのぉぉ!


そんな言い訳を声を大にして言いたいくせに、変態とは言えイケメンと美女に見つめられると、黙ることしかできない。


上から下から舐めるように見ていたヒロさんは、ニッとぷっくり膨らんだ唇を弓形に歪めた。



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