投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

逃亡
【その他 官能小説】

逃亡の最初へ 逃亡 32 逃亡 34 逃亡の最後へ

逃亡-33



「新潟港は、朝鮮半島を通って中国大陸に渡るルートなんだ。」
 内藤はしゃがれた声で言った。ごま塩頭で小柄、丸顔の穏やかな顔立ちは、どこにでもいそうな気のいい小父さんといった風貌だが、コツコツと積み上げる粘り強い捜査が信条で、数々の凶悪事件を手がけてきたベテラン刑事である。昨日から、野上の代わって新潟に来て、西岡と一緒に港を回っていた。
「するとやっぱり、緋村は国外逃亡をはかっているんですか。」
「わからないが、その可能性もあると考えておかないとな。」
 二人が歩いていると、「関係者以外立入禁止」と書かれた看板と、通行を遮る黄色と黒の柵が立てられている道に出た。体格の良いガードマンが数人、警備している。この先には四つの倉庫と二つの桟橋、それに管理事務所があったはずだ。
 内藤が近づいて警察手帳を示す。
「少し捜しているものがありまして、港の中を全部見せていただいていましてな。ご迷惑はおかけしませんので、ちょっと通していただけませんかな。」
「捜し物が何かはわかりませんが、ここにはありません。」
 警備責任者らしい大柄な男が取り付く島もなく言い放つ。鋭い目つきが、探るように内藤の顔と警察手帳を見ている。
「まあ、そうおっしゃらずに…」
「ここは、森橋運輸の貨物倉庫だ。警察と言えども、許可なく立ち入ることは禁止されている。」
 西岡が口を挟もうとするのを遮って、二人の刑事を取り囲むようにして集まってきたガードマンの一人が、凄みを効かせて言う。警備責任者も挑むような目つきのまま、慇懃無礼に尋ねる。
「それとも、令状でもお持ちなんですかな?」
「いや…、それじゃあ、出直すことにしましょう。」
 内藤はそう言うと、くるりと踵を返して歩き出した。その後を西岡が追いかける。
「あいつら、おそらく元警察官だな。」
 内藤が言うのを聞いて、西岡が珍しく憤慨した口調で尋ねた。
「そんなことより、いいんですか?」
「そう言っても、たしかに令状はないんだ。」
 そうつぶやく内藤に、西岡が憤然と食い下がる。
「しかし、このまま引き下がるわけにはいきませんっ!」
「誰が引き下がると言った?少し、張り込んで、チャンスをうかがうぞ。」
 内藤がニヤリと不敵な笑みを浮かべて言った。

 連れて来られる直前に目隠しをされたのでわからなかったが、潮の匂いがすることから考えて、ここは港の倉庫の中らしい。
 瑞紀は、裸の上に婦人警官の制服とスカートだけを身につけた格好のまま、後ろ手に手錠をかけられ、倉庫の鉄柱の一本に縛り付けられていた。
 さっき乱暴された時にボタンがあらかた弾け飛んでしまったため、制服の前はすっかりはだけて、身動きするたびに豊かな乳房がチラチラとのぞく。すると、彼女を監視している例の巨漢とのっぽの二人組がニヤニヤと卑猥な笑みを浮かべて、胸元を覗き込むのだ。
 彼らや王を含めて、倉庫の中にいる男達は、瑞紀の見たところ全部で十人ぐらいだった。リーダー格の東條は今は倉庫にはいない。
「すぐに出航するって話じゃなかったのか?」
 度の強い眼鏡をかけた神経質そうな男が苛立った声をあげた。
「そんなこと、知るもんか。」
 入り口あたりにいたがっしりした体格の男が怒気を含んだ声で応じ、倉庫に殺気だった空気が走る。
「まあまあ、落ち着くあるね。今、東條サン、交渉してるよ。」
 王が立ち上がってなだめた。しかし、眼鏡とがっしりした男は、今にも取っ組み合いをしそうな雰囲気で睨み合っている。
「しかたない。ちょっと、暇つぶしあるね。」
 王はそう言いながら、瑞紀に近づいてきた。
「女。ここで、オナニーショーして、みんなに見せるよ。」
 巨漢とのっぽが拍手をし、口笛を吹いた。それを聞いて、倉庫のあちこちにいた男達が、ゾロゾロと瑞紀の回りに集まってくる。
「嫌ですっ!」
「それなら、ここにいるみんなとセックスさせるあるよ。」
 瑞紀は無言のまま、恥辱に震える瞳で王を睨んだ。オナニーを見せるか十人の男に輪姦されるか、どちらも選びたくない究極の選択であった。
 男達が淫らな視線で瑞紀を突き刺す。このままじっとしていれば、十人に代わる代わる犯されるだろう。それを考えると、何よりも恐怖心が湧き起こってくる。さっき男達に次々に犯された経験が、瑞紀には心底こたえていた。その思いが、彼女を決断させた。
「…します…。」
 消え入りそうな声だった。王が自分の耳に手をあてて、意地悪く尋ねる。
「何をするか?」
「オナニー…、します…。」
 今まで真っ青だった瑞紀の顔は、真っ赤に染まっていた。
「そこのコンテナの上に乗って、よく見えるようにするね。」
 王が指差した所に、高さ一メートル程のかさの低いコンテナが置かれていた。瑞紀はあきらめたような表情で、ゆっくりとコンテナに上がって腰を下ろした。
 王は瑞紀の両膝をコンテナの上で立て膝にさせると、スカートの裾を手でたくしあげた。下腹部に生えた翳りの中から、ピンクの肉の合わせ目がわずかに顔をのぞかせ、回りを取り囲んだ男達の視線が一斉にそこに注がれる。


逃亡の最初へ 逃亡 32 逃亡 34 逃亡の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前