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逃亡
【その他 官能小説】

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逃亡-31

第4章



「うっ、あぁぁ…うっ…」
 夜のパトロールを終えて交番に入ろうとした松本巡査の耳に、女の啜り泣くような声が聞こえてきた。
 ぎょっとして立ち止まり、思わず右手を腰の警棒に添える。
音を立てないよう、息を殺して中を覗いた松本巡査の目に飛び込んできたのは、信じられないような光景だった。
「し…、進藤巡査!」
 交番の中では、若い女性が一糸まとわぬ姿で椅子に縛り付けられていた。松本の同期で、県警一の美人だと囁かれている進藤奈津子巡査だった。その彼女が、大きく脚を開かされ、陰部まで露出している。しかも、そこには太いバイブレーターが押し込まれ、淫猥なモーター音を響かせていた。

「その婦人警官の着衣が、全て盗まれたということですね。」
 場末の寂れた喫茶店のテーブルで、西岡が几帳面に取ったメモを見ながら、松本巡査の証言を確認する。
「それを早瀬警部補に着せたんだな。」
 野上が頷く。
 これまで警察が掴んでいる緋村達の足取りに関する情報は、この松本巡査の証言が最後であり、その後の情報はぷっつりと途絶えてしまっている。進藤奈津子から盗んだ婦人警官の服を瑞紀に着せたために、これまでのように目を引かなくなったのだろう。
 その時、西岡の携帯電話が鳴った。野上宛の電話だったらしく、西岡が携帯電話を野上に渡す。野上は携帯を持たない主義だった。
「あっ、親爺さん。」
 電話はPFFT対策本部の最年長、内藤警部補からだった。
彼は、ボスの細井警視に嫌味を言われながらも、いろいろと野上に協力してくれている。
「お前の言うとおり、早瀬警部補の身辺を調べていてわかったんだが、彼女、セクハラで悩んでいたようだな。」
 内藤の話では、瑞紀は同僚か上司の誰かから執拗に交際を迫られていたらしく、近々、職員のためのセクハラ相談窓口に相談に行くことを考えていたらしい。
「それで、相手はわからないんですか。」
「ああ、相談に行こうとしていた矢先に、今回の一件があったからな。」
 野上は少し黙って考え込んでいたが、意を決したように言った。
「俺、ちょっと東京に戻って調べたいことがあるんですけど。親爺さんこっちに来てもらえませんか。西岡と一緒に調べて欲しい場所があるんですが。」
「調べて欲しい所ってのは、どこだい?」
「新潟港ですよ。」

 ここはどこかの倉庫の中らしい。コンクリート打ちっ放しの壁には窓がなく、天井は鉄骨が剥き出しになっている。あちこちに大型のコンテナや段ボール箱が積み上げられていた。
 瑞紀が着ているのは婦人警官の制服だ。しかし、サイズが一回り小さいのか、制服はピッチリと彼女の身体を締め付け、豊かな胸の隆起、くびれたウエスト、張り出した腰と、セクシーなボディラインを強調している。胸のボタンなどは今にもはじけ飛びそうだ。丈夫な生地で作られているせいで、瑞紀には拘束具で身体を縛られているように感じられる。しかも、両手は後ろ手で手錠をかけられて、自由を奪われているのだ。
 身長二メートル、体重も百五十キロは超すだろうという巨漢が、瑞紀が逃げられないように肩を掴んで押さえつけている。瑞紀が立っている前には、黒い革張りのソファが置かれ、二人の男が腰掛けていた。その横で長身の男が構えているカメラのフラッシュが光った。
 ソファに座った二人は瑞紀のスカートを捲り上げ、中を覗き込んでいた。彼女はパンティを穿いておらず、引き締まった太腿とその付け根の淡い茂みが男たちの前にさらされていた。
 ソファに座っていた五十歳ぐらいの、目の細い太った男が、右手を瑞紀の股間へと伸ばした。男の指がふっくらした大陰唇を押し開き、サーモンピンクの秘貝が覗いた。
「あっ、いやっ!」
 瑞紀が悲鳴をあげる。
 男は小陰唇の襞の一本一本を指でなぞり、包皮を剥いてクリトリスを刺激し、丸く開いた膣に指を入れて、瑞紀の秘所を隅々まで丹念に調べていく。
「きれいなオ××コしてるあるね。」
 男はクリトリスを弄びながら言った。イントネーションに独特の訛りがある。どうやら中国人らしい。
「や、やめて…」
 瑞紀が首をうなだれたまま、消え入りそうな声で言った。その顔は、男達に陰裂をじっくり見られる恥ずかしさで、耳まで真っ赤に染まっている。
「どうです、王さん。」
 ソファに座っているもう一人の男が言った。他の者から東條と呼ばれている男で、PFFTの幹部の一人らしい。今、ここに緋村はいない。
「これは上玉、良い娘、高く売れるね。」
 王は、PFFTが誘拐してきた娘を売っている人身売買組織のブローカーである。
「あ…、ううぅ…」
 瑞紀の喘ぎ声が、コンクリートの壁に響く。王は中指を秘孔の中に入れ、親指でクリトリスを愛撫している。彼女が身悶えするのに合わせて、男達の鼻先で、甘く初々しい体臭が匂った。その部分はすでに蜜で潤い、溢れた愛液が太腿の内側にまで垂れている。
「わたし、オ××コの具合、試してみるね。」
 そう言うと王は立ち上がり、ズボンとパンツを脱き捨てた。そして、瑞紀の太腿をぐっと引き上げると、立ったままの格好で、いきなり犯しはじめる。王の肉棒は狭い膣壁を押し広げながら突き進んでいった。


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