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逃亡
【その他 官能小説】

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逃亡-29



 夕日が西に傾き出した頃、緋村と瑞紀を乗せた車が停車したのは、ファミリーレストランや書店、スーパーなどの郊外型の量販店が並ぶ一角だった。
「よし、降りろ。」
 車外に出ると、ひんやりした風が瑞紀の身体を撫でていった。ここ二、三日は春のような陽気で、裸でいても寒さは感じなかったが、今日は秋らしい気候になっており、夕方ともなれば、結構肌寒い。
 風に吹かれて、思わず瑞紀は両手で胸と下腹部を庇う。剥き出しになった腕や肩に鳥肌が立ち、乳首も寒さのせいで硬くなってきた。
「寒そうだな。ちょっと暖かくしてやろう。」
 そう言うと、緋村は性具を詰め込んだ例の黒カバンを開けて、手錠を取り出し、瑞紀を後ろ手にして手錠をかけた。またもや、形の良い乳房も下腹部の翳りもすべて露わにされる。
 次に、何かチューブのようなものを取り出した。
「これが何かわかるかな。」
 緋村は、瑞紀の脚を肩幅ぐらいに開かせると、チューブからひねり出したゼリー状の物を手に取り、陰裂にたっぷりと塗り込んでいった。恥丘はもとより、敏感な肉芽や肉襞の中にまで丹念にゼリーを塗っていく。
「これは、媚薬ゼリーだ。これをオ××コに塗ると、最初はじわっと熱くなってくる。そして、薬が染み込むほど、痒くてたまらなくなってくるんだ。」
 瑞紀はお尻をモゾモゾと動かし、太腿をしきりに擦り合わせている。すでに媚薬が効いてきたようだ。
「オ××コを弄れば気持ちいいが、そうでないと…」
「うぅ…、痒い…」
 瑞紀がうめき声を洩らした。陰部が火照ったようになり、痒くてたまらないのだ。緋村が言うように股間を掻くことができれば、少しましになるのだろうが、手錠をかけられているため、自分で秘貝をいじることはできない。
「あぅぅっ、んあっ、んんん…」
 瑞紀は額に汗して身体をよじっている。激しく太腿を擦り合わせてみるが、そんなことでは痒みはいっこうにやわらがなかった。
「どうだ?寒さなんか吹っ飛んだだろう?」
 そう言うと、緋村は瑞紀が全身にうっすらと汗をかいて悶える姿を、煙草を吸いながらじっと見つめていた。
 すでに、二人の存在は駐車場にいる人達や、量販店のお客、店員達の気づくところとなり、高坂サービスエリアの時のように、大勢の野次馬が遠巻きにして眺めている。何度もテレビ中継されていることもあり、そのほとんどが、二人が緋村と瑞紀であることを理解していた。
 その時、野次馬の中から書店の紙袋を抱えた二十歳代の青年が一人、足早に緋村に近づいて来た。
「緋村同志、お久しぶりです。」
「おお、浅一か。どうだ、早瀬警部補は色っぽいだろう?」
 全身をピンクに上気させた瑞紀は、もはや立っていられなくなって、アスファルトの上にしゃがみ込み、肩で息をして喘いでいる。
「こんな所で遊んでいる暇はありません。例の物をあちらのファミレスの所に停めてありますから、早く行ってください。」
 青年は神経質そうな表情を浮かべて緋村に言うと、急いで、今まで二人が乗っていたセダンの運転席に乗り込んだ。
「相変わらず固い奴だな。」
 緋村が瑞紀の肩を掴み、背中を押すようにして足早に歩き始めた。
 瑞紀は、全裸のまま広い駐車場の中を移動させられた。駐車場のあちこちで、あるいは店の窓から顔を出して、野次馬が二人を眺めている。
(ああ、恥ずかしいわ…)
 裸で外を歩き回るのは、やはりたまらなく恥ずかしかった。
しかも、媚薬の効果で一歩歩く度にジンジンと股間に痺れるような感覚が走り、脚がもつれて上手く歩けない。見られているという羞恥心が、秘部を襲う感覚を意識させ、秘裂から愛液がトロトロと溢れ出てくるのがわかった。
 百メートルぐらい歩かされた後、緋村が瑞紀の肩を押すのをやめた。
「よし、来てるな。」
 そこに止まっていたのは四百CCのバイクだった。
「瑞紀は後ろに乗ってもらおう。」
 緋村が指差した座席には、二本のバイブが生えていた。どちらも男根の形をしているが、一本は太く、もう一本は少し細目だ。
「こ、これは…。」
 瑞紀は振り返って、自分の肩を掴んでいる緋村の顔を見た。
「そうだ。そのバイブをオ××コと肛門に入れて乗るんだ。」
「あぁ…」
 瑞紀は絶望のため息をもらし、羞恥に頬を染めながらうつむいた。それでなくとも秘部に妖しげな薬を塗りつけられて、官能がグラグラなのだ。このうえ、女の急所にバイブを突っ込まれたら、いったいどうなってしまうのかわからない。 緋村は瑞紀の足元にしゃがんで、肉壺の様子を観察した。ピンク色の肉唇はパックリと口を開け、透明な粘液でベットリとしてきている。媚薬のゼリーの効果だろうか。緋村がちょっと秘唇をいじっただけで、穴の奥からどくどくと恥ずかしい女の蜜が溢れ出す。
 緋村は、その蜜を指先につけて瑞紀の肛門の周りに塗りつけながら言った。
「これだけ濡れていれば、楽に入るはずだ。」
 瑞紀は緋村に抱えられるようにしてバイクの座席にまたがった。まず、運転席に座り、徐々に後ろに身体をずらしていく。


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