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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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すれ違ってばかりの俺達-2

頼みの綱の修は、石澤さんとビーチボールでドッジボールしたり、思いっきり水を掛け合ったりして、すっかり俺を忘れてイチャついてるし。


一方の歩仁内も、浮き輪で泳ぐ本間さんを誘導して、楽しそうに泳ぎ、これまた二人の世界に入り込んでいるのだった。


置いてけぼり感いっぱいの俺は、そんな楽しそうにはしゃぐ奴らに対して卑屈になってしまう。


修達には、協力してやるって言ってたじゃねえか、と。


州作さんには、人の彼女に馴れ馴れしくしてんじゃねえ、と。


そして沙織には、俺以外の男にヘラヘラしてんじゃねえ、と。


「あー、イラつく」


自分の不甲斐なさを棚にあげ、俺はそんな奴らにチッと舌打ちしてから、ゴロリとレジャーシートの上に寝転んだ。




   ◇   ◇   ◇



俺ってヤツは、どんなに騒がしかろうが、暑かろうが、イライラしてようが、横になれば眠れる単純な人間らしく、


「おう、倫平。起きろ」


と、修に蹴飛ばされて起こされるまで、目が覚めなかった。


「あれ、俺……」


手の甲で口の端のよだれを拭いながら身体をゆっくり起こすと、腕を組んだ修と、その横で心配そうに俺を見つめる石澤さんの姿があった。


あれ、俺、あれから寝てたのか……?


横になっていた身体は、海に入らなかったせいか、ずっと日差しを浴びてやけに熱を持っていた。


寝ぼけまなこで身体を起こせば、


「悪かったな、荷物番ばかりさせちまって。今年初めての海だったから、ついついテンション上がってしまってさ」


と、修が、ほんの少しばかりバツが悪そうに頬をかきながら、そう言う。


「いや、別にいいよ」


つーか、荷物番のことを謝るより、蹴り入れて起こす方を謝れよ、と突っ込みたくなったが、理不尽さの方が修っぽくて、妙に笑えた。


でも沙織がいないせいか、なんとなくから笑い。


そう力無く笑う俺に、石澤さんがしゃがみ込んで、目線の高さを合わせる。


「なんかさ、沙織淋しそうだよ」


「え?」


石澤さんの言葉に、目線を海の方に向けると、州作さんと楽しそうに話していたはずの沙織は、本間さんと二人で山を作ってはしゃいでいた。




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