Ｔデパート-7
酒が入っているのか、顔がうっすらと上気して、目つきがとろんとしている。
俺と高橋のほうをはっきりと見たが、俺のことは誰なのかわかっていないようだった。
ミニ丈のワンピースのようなものを身につけてはいるが、その素材はシフォンのように薄いため、完全に中が透けて見えている。
しかも麻理は、ワンピースの下に何もつけておらず、全裸に薄布を引っかけたような状態で、胸も陰部も丸見えだった。
「ほう、ほんまにはしたない格好やな」
高橋が楽しそうに笑いながら手招きすると、麻理は丸見えの恥部を隠そうともせずに、ふらふらと立ち上がって高橋の横に座った。
「どうや女将、麻理の働きは？」
高橋はすぐさま麻理の腰に手をまわし、服の上から乳房を無造作に揉みはじめた。
麻理は嫌がることもなく、高橋に身をまかせるように寄り添っている。
その狎れ合った感じがひどく不潔に感じられた。
「へえ、おかげさんでようやってくれてます。器量もええし、彫りもんもない綺麗な肌やさかいに、それなりのお客様からももう指名がつくほどなんどす」
「ふうん、そうかいな。まあ、今後こういう子を定期的に世話できるようになるさかい、また面倒みたってや」
高橋は満足そうに高笑いすると、もう硬くなっている麻理の乳首を、服の上から指でつまんで弄り始めた。
「あ……ん……」
麻理が甘い声を漏らしながら身体をよじらせる。
「おおきに。高橋はんにはお世話になります」
そう言って女将が下がると、高橋はニヤニヤしながら麻理の唇に吸い付いた。
「久しぶりやなあ、麻理」
麻理は抵抗しないばかりか、うっとりと目を閉じ、積極的に高橋の舌に自らの舌を絡みつかせている。
「もう濡れてるんやろ」
高橋は麻理のワンピースの下から股間へと手をつっこんだ。
「あっ……あっ……ん」
高橋に陰部をまさぐられて感じながら、麻理がちらっと俺のほうを見た。
「麻理、この男誰かわかるか？」
麻理はとろんとした焦点の合わない目で俺の顔をじっと見ていたが、すぐに首を横に振った。
「はっはっはっ！忘れたんか！」
高橋がやたらと楽しそうに大笑いした。
普通ならば、もともと幼馴染で、しかも自分をレイプした男の顔を忘れることはないだろう。
しかし、麻理はあまりにもたくさんの男と関係しすぎて、あるいは無理やり関係させられすぎて、その一人一人の顔を覚えていないのだ。
俺との記憶もその膨大な凌辱の記憶の中に吸収されてしまったにちがいない。
「忘れたらアカンがな。この人がおらんかったら今のあんたはあらへんかったんやで」
まるで麻理がこうなったのは俺の責任だと言わんばかりの高橋の口ぶりに、俺は戸惑った。
「わからんか？川瀬くんや。あんたの幼馴染の川瀬昭彦くんや」
俺の名前を聞いても、麻理は狼狽するわけでもなく、ショックをうけるわけでもなく、ただ面倒くさそうに首を横に振っている。
まるで何か外部からの凄まじい力によって感情が疲弊してしまったかのようで気味が悪かった。
「しょうがない女やな」
高橋は麻理を畳の上に押し倒すと、ぺらぺらのワンピースを乳房の上までまくりあげた。
むき出しになった股間は、幼女の陰部のようにつるつるに剃り上げられている。
高橋は麻理の乳首にしゃぶりつきながら、その無毛の割れ目にごつごつした指を乱暴に突っ込んだ。
「あん……高橋部長……あっ……」
麻理はびくっと身体を痙攣させ、高橋の指を自ら気持ちのいい場所に導くように、ゆっくりと腰を上げ前後に揺らした。
「おうおう、もうぬるぬるやな。今まで客に弄られとったんやろ」
服装から察するに、おそらく麻理がここで客にそうとう過激な性的サービスをしていることは間違いない。
デパートに いたころはあんなに毅然としていた麻理のあまりの変貌ぶりに、俺はひどくショックをうけていた。
「お前のことやから、今日もたくさんの男に弄らせたんやろ？お前はいっぺんに何人もにヤられんのが好きやもんなぁ！」
「んん……ああぁん……」
高橋に馬鹿にされたように言われても、麻理はただくねくねと身をよじらせて喘ぐばかりで、まともに返事をしない。
まるでセックス以外のことには全く興味がないように見えた。