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僕をソノ気にさせる
【教師 官能小説】

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僕をソノ気にさせる-35

 タクシーに近くまで移動して、すぐ近所のコンビニでアルコールと食べ物を買ってから瑞穂のワンルームマンションへ入った。先に風呂入っちゃいな、と言われた杏奈は、化粧を落としてシャワーを浴び、瑞穂の貸してくれたキャミソールとホットパンツに着替える。ワインが幾分回っていた頭が少しスッキリしたような気がした。杏奈の後にシャワーに入った瑞穂が、タンクトップと下着姿で髪の雫を巻きつけたタオルに吸い取らせながら、台所から持ってきた灰皿をテーブルの上に置いてベットに腰掛けた。
「え、さっきタバコやめたっつってたじゃん」
 待っている間にラグの上のクッションに座り、既に梅酒をコップに注いで舐め始めていた杏奈が驚いて瑞穂を見上げた。
「――いきなり横浜に帰ってきて? そんなに強くないくせにワインがばがばのんで? カラオケで『オリビア』唄いたがってる? ……そんなあんたが家にやってきて、何か話があるんでしょ?」
 瑞穂はタバコに火をつけ、最初の煙を長く吐き出し、「……フラグ立ちすぎだよ。これからわたし、もんのすごい重い話されるに決まってんじゃん。吸わなきゃやってられるかっての」
「……さすがですね」
 何もかも見透かしている親友に、杏奈は恥ずかしそうに笑って俯いた。
「んでー? 念願の細マッチョに浮かれてたカレシと何かあったか?」
 何から話そう、と伏せた頭の中で整理し始めていた杏奈は、瑞穂に言われてごく素朴な顔を上げてしまった。あ、そっち。
「……んー? そんなに浮かれてた? 私……」
「……おい、こっちが聞いてあげる、っつってんのに、今、『えっ』って顔したろ! ……まあいいけど、もう……」
 上の空だった杏奈に呆れた瑞穂は灰皿に灰を落とし、「あんた、昔っから細マッチョ大好きだったからね。その日にカレシ出来たよメールを送ってきたじゃん。夜二時にね。普通に次の日仕事がある私に向かってだよ?」
「そうだっけ……」
「おいっ、杏奈の相談話って、いちいち聞き出さなきゃならないから、めんどくさいんだよ? ……カレシと何かあったんだろ? 言ってみ」
 瑞穂が杏奈向かってタバコの煙を吹きかけると、杏奈は眉を顰めて払いながら、
「別に大したこと無いよ。AV観ても、キャバクラ行っても許してあげてるし、合コン行ったって深く追求してないし」
 そう言うと瑞穂は、はぁ、と長い溜息を吐いて額に手を当てた。
「……AVとキャバクラは許してやれ。私もあいつが観たり行ったりしてんのは知ってる。でも合コンは許したらダメだよ? 痛い目見るよ?」
「別に見てないよ」
 智樹の様子がおかしくなったのに気づいたのは、メールを打っているところへ送り元と送り先を問うても「仕事関係」とひどく覚束ない回答をしてきたからだ。杏奈が会いに行くと言っても仕事を理由に断る回数も増えた。もともと隠し事ができない、わかりやすい性格の智樹を問い詰めてやってもよかったが、ある日杏奈は智樹に無断で突然家を訪れた。驚いている智樹に導かれて中に入ったが誰も居なかった。用件を智樹に聞かれると、急に自分のしたことが恥ずかしくなって、謝りながら正直に話した。智樹は笑って、不安にさせて悪かったよ、と杏奈の髪を撫でた。
 智樹が誘ってきたから先にシャワーを浴び、ベッドに座って智樹が出てくるのを待っていた。一人でいると、やはり抜き打ちなんてことをしでかした自分にいたたまれなくなって、ベッドに顔を突っ伏した。
 飛び起きて服を着た。バスルームから出てきた智樹が、バッグを肩にかけている杏奈に驚いて何か言う前に、
「ガサツなクセに、コソコソ隠すなっ。バカッ!」
 走り寄って思い切り引っ叩き、家を飛び出した。ベッドからは自分のものではないシャンプーと香水のニオイがした。顔を上げると黒く長い髪が落ちていた。そんな場所で自分を抱くつもりだったのかと思うと、馬鹿にされた憤りが収まらなかった。何度携帯が鳴っても無視をした。
「……あんた……、相変わらずワキが甘いね」
「甘くないよ。カレシが他の女ひっかけたのを怒っちゃいけないの?」
「怒っていい。怒っていいけど……、杏奈、そんな突撃とかしちゃダメだよ。カレシが他の女と鋭意セックス中だったらどうすんの?」
「そっちのほうがハッキリしてよかった」
「いや、そうじゃなくてよかった。もしそんなんだったら、殺人に発展してたね」
「私、そんなにイタいかなぁ……?」
「んでも、私が気になるのはだ」
 瑞穂はテーブルに並べていたチューハイを手にとって飲み口を開けると、缶のまま喉へと傾けた。「――そんな修羅場に晒されてるあんたが、全然泣きわめいてないってことだね」


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