投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

黒霧
【ファンタジー 官能小説】

黒霧の最初へ 黒霧 2 黒霧 4 黒霧の最後へ

タナトスの黒霧-3



霧野斗真が潤子の部屋に訪れたのは、静が訪問する一週間前の放課後だった。
斗真が黒霧について昼休みに愛と一緒に音楽室に話に来たからである。
「ジュンコせんせー、とーま君はすごいんだよっ」
斗真が苦笑していた。
愛は仔猫を捨てようとしていた人に斗真が話しかけて救った話をたどたどしいながらも、一生懸命になって話をしていた。
コンビニの駐車場で、斗真が小太りの中年の女性に話しかけていた。それを見かけた愛がそばに行くと、斗真が「トランクの中に何が入ってるの、まさか人じゃないよね?」と言っている。
すると、斗真と愛の顔を見て中年の女性はため息をついてから「あなたたちの家で猫ちゃん飼える?」と聞いてきた。
斗真は首を横に振った。母親の真理は仕事が忙しく、基本的には斗真を溺愛して、愛も親友の翠の娘なので優しく接する、子供もペットもあまり好きではない。
愛は「おかーさんに聞いてみるっ!」とコンビニの中にかけて行った。
煙草をレジに並んで買っていた翠が愛に手をひかれてやってきた。翠が中年女性に話を聞くと、入院することになって仔猫が飼えなくなって捨てに行くところなのだと、涙ぐみながらいった。おそらく命にかかわるような重い病なのだと、翠は女性の様子から察した。
「うちは夫が猫の毛のアレルギーなので飼えません。でも、獣医をしている同級生が近所にいるので、一緒に行って相談してみませんか?」
「相談?」
中年女性が警戒した表情になる。この子を保健所に引き渡すぐらいなら自分の手で殺してあげたい、と中年女性は思った。斗真が目を細める。黒霧が車を包む。
「おばさん、猫ちゃんみせて!」
愛が満面の笑みで中年女性にねだる。
「愛、人が話してる途中でわりこんじゃダメよ。里親を募集すれば飼い主が見つかるかもしれません。まだ仔猫なんでしょう?」
「ええ、そうです」
黒霧が中年女性だけ包み車から消えた。中年女性がトランクを開き、かごを取り出す。
スコティッシュ・フォールドの仔猫。
「かわいい、うちの子になる?」
愛が仔猫に話しかけて目を輝かせていた。
「あー、お父さんを動物病院で里親募集しちゃう?」
「うー」
中年女性がくすりと笑うと、少し霧が薄くなった。
動物病院で里親募集に翠と愛は協力した。写真を撮影して動物病院にポスターを描いて貼ったのである。仔猫と心中を考えていた中年女性は、仔猫が引き取られてから入院した。
潤子は斗真を部屋に招待した。
「黒霧の話を聞かせて」
田舎の入ってはいけない神社の跡地でおぼえていないけど、とても怖いことがあったこと。それから寝れなくなってメンタルクリニックに通っていること。母親と一緒に寝れば不眠がなくなること。それから黒霧を見るようになったことを斗真は潤子に話した。
潤子は黒霧よりも母親と斗真が裸で抱き合って眠ったりキスをしたりしていることのほうが気になった。
そして鼓動が高鳴った。
「潤子先生、好きな人がいたら死んじゃだめだ!」
斗真が言うと潤子は「そうね」と答えて、思わずため息をついた。
「斗真君はお母さんのことが大好きなんだね」
「うん、大好きだよ」
潤子は斗真のように弟の剛志のことが好き、愛していると素直に言えたらどれだけいいか、うらやましいなと思った。
「みんなには内緒だからね」
潤子は斗真の唇に唇をふれるだけの短いキスをしてから、自分が養女で弟の剛志のことが好きでたまらないことを斗真に告白していた。
潤子は弟との関係に悩んでいて自殺しようかとも考えるほど、思いつめていたのである。学校では生徒たちに囲まれて、いつも笑顔でピアノを弾いて、優しげに微笑みを浮かべて。
斗真がぽろぽろと涙をこぼしていた。
「斗真君、優しいんだね」
潤子が目を潤ませて斗真を抱きしめた。
斗真だけには聞こえてくる小さな声が遠くから響いてきた。
黒霧を祓うには悦びをあたえてやればええわいな
悦びをあたえるには肌をふれあえばええわいな
潤子は斗真を泣き止まそうと抱きしめたはずだったのに、胸が高鳴り、柔肌が火照ってきていた。おそらく頬だけじゃなく耳まで真っ赤だろうと思う。
斗真が潤子にキスをしてきた。
潤子はフレンチキスではなく、ディープキスで斗真の口の中に舌を押し込んでいた。
「潤子先生がいなくなったら、僕、悲しいよ。それに
剛志さんって人も悲しいと思う。潤子先生、死んじゃだめだよ、先生がその人のことをどれくらい大好きかは、先生しかわからないけど、僕がどれくらい先生が好きかわかるように、気持ちよくしてあけるよ」
斗真が潤子のブラウスの上から、乳房を揉みながら、潤子の耳を甘噛みした。
「あっ、あぁっ、はぁ、んあっ、と、斗真君っ、いけないわ、はぁん、んんあっ!」
潤子は斗真の手を払いのけることができなかった。かつて寝たふりをしていた潤子に、部屋に入ってきた剛志が体を弄りまわしてきた時もそうだったのを思い出して、濡れてしまった。
斗真はブラウスのボタンをゆっくりと外していくと少し困った顔をしていた。
斗真が目の前のブラジャーの外しかたがわからないのだと潤子はわかって、微笑しながら背中のホックを外した。
「お母さんのオッパイと先生のオッパイ、どっちが大きいかな?」
「先生のほうが少しおっきいかも」
潤子は少し左胸の乳首が陥没気味である。
「斗真君、先生のオッパイはミルク出ないけど、吸ってみる?」
斗真が潤子の左胸の乳首にむしゃぶりつくと、優しく噛んで、と震える声で斗真に囁いた。
斗真は母親の真理の乳房を揉みながら乳首を吸うように、潤子の乳房と乳首を愛撫した。潤子は陶酔した。
黒霧はこの時は消えていた。潤子は斗真が施設に父親と一緒に訪れた幼い頃の剛志が愛撫してくれているような気持ちになりながら、全身を震わせて喘ぎ、腰をくねらせていた。
斗真は母親以外の女性に初めて愛撫していた。
これが斗真の初恋かもしれない。


黒霧の最初へ 黒霧 2 黒霧 4 黒霧の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前