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想いを言葉にかえられなくても
【学園物 官能小説】

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想いを言葉にかえられなくても《アラベクス》-1

 俺には守るべき『約束』がある。帰るべき場所がある。今更だけど愛すべき人もいる。
 そう…置いて行ったのは俺なのに。六年の歳月を待たしているのは俺なのに。
 ……逢いたい。寝ても覚めても夢に映るのは……。
 あの頃の強がりが、今の俺の不眠症の理由。『恋していいからな』なんて強がった俺。
 ダメだ…。独占欲でドロドロなんだ。誰にも渡したくないのに。誰にも触らせたくないのに。こんなに愛しているのに。
 『約束』まで後少し。俺は今、がむしゃらに生きている。


………………
 俺は上に兄が二人いて、上から零太(レイタ)壱成(イッセイ)聖二(セイジ)。0、1、2繋がりだ。そう、俺は聖二。酒井 聖二(サカイ セイジ)だ。
 そんな男所帯で俺は不健全な知識を常識の様に理解していった。…いや、理解させられた。これが正しい。だから…初めての時は既に、そういう知識に困る事は無かった。

 童貞を捨てたのは11の時だった。暑い夏の日。近所に住む、幼馴染みの高崎 苺(タカサキ イチゴ)と宿題をしていた時だった。
 初めて見た時から苺の印象は変わらない。小柄で元気がいい、守ってあげたい女の子だった。
 正直、一目ぼれだった。つい意地悪をしたくなるくらい。そんな想いをひたかくし、鍵っ子だった俺の家で毎日宿題をしていた。そんないつもと変わらない日だった。

「生理が来ないの」
 そんなふうに相談されて俺は舞い上がった。こんな親密な相談をされるのは、凄く信頼されているって証拠だろ?
 暑い夏。聞こえて来るのは蝉の声とエアコンの機械音。ノースリーブから覗く健康的な二の腕。ハーフパンツから伸び出た太股。全てがドキドキと脈打つ要素だった。
 手を伸ばせば届く。たった30cmも満たない距離。鼓動が爪の先まで震わしている。

「ん…じゃあさ、こう言うのはどう?」
 と言って、シャーペンをテーブルに置いて顔を近付けた。目測、後10cm。テーブルの上に置いた拳にじっとりと汗をかいているのが分かる。
「生理が来ると赤ちゃん出来ちゃうんだろ?つまり本番ってわけだ。だからさ、本番前には練習が必要ってわけ。わかる?」
 なんとか理由を付けて一気に話す。
「う…うん」
 苺はこくこくと懸命に首を縦に振り、相づちを打つ。でも、あまり深い意味までは理解して無い様に感じる。年相応の無垢さ。俺の中で罪悪感が迫り寄る。
「だから、セックスの練習しよ。」
 震える声で踏み切る。勇気というか…これはエゴだろう。だけど……火のついた気持ちは止まる事を知らない。
「セックス?」
 セックスさえも知らない。そんな不思議そうな表情だった。
「うん。兄貴に教えてもらったけど、セックスが赤ちゃんを作る行為なんだって。すっげー気持ちいいんだって。」
 踏み出した気持ちは止まらない。苺を自分だけの…にしたい。
「え?気持ちいいの?」
「うん。だから、やろうよ。」
 手を伸ばす。もう後戻りは出来ない。俺は必死にエロ本やエロビを思い出しながら苺と繋がった。緊張より本能のまま身体が動いた瞬間だった。

 それから、俺は苺に溺れた。セックスに挑んだその日は罪悪感で一杯になったが、二日経ち三日も過ぎると身体が疼き、結局…一週間も経たないうちに苺を抱いた。その繰り返しだった。
 苺の気持ちを聞くのが怖くて全てに蓋をした。そんな手前勝手な俺を……苺はあの小さい身体で受け入れてくれた。それだけが唯一の救いだった。
 それなのに俺は手を離した。自分の夢のために。


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