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good communication
【若奥さん 官能小説】

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女であることを忘れていた女-3

よっぽど自分の身体に自信があるのか、どや顔で胸の谷間を寄せている所がまたムカつく。


誘うような嫌らしい目つき。挑発的な半開きの濡れた唇。


「……けっ、ビッチじゃん」


と、悪態を吐かずにいられない。


だけどこの女、顔は小さいし、細いくせに胸は大きい。


やっぱり、若くて可愛い女の方がいいのかな。


対して今の私は、スッピンによれたTシャツにジャージだし。


どや顔の女が悔しくも可愛いから、その歴然たる差に、悪態を吐いてもなんだか虚しくなってくる。


今の自分に比べたら、この女に夢中になってしまうのは、仕方ない、とすら思ってしまった。


だけど、輝くんのしていることは、許されるものじゃない。


自分のために、瑠璃のために、ここは死ぬ気で頑張らなきゃ。


滲む涙を拳で擦りながら、私はなんとかマウスを掴んだ。






ネットなんかで見たことがあるけれど、不貞行為を働いた人達に制裁を加えるには、何よりもまずは証拠。


瑠璃のためにも、取れるものをしっかり取って、新しい人生を始めないと。


そのためには輝くんがこの女といつから関係を持っていたかを知る必要がある。


それを知るのは、胸を抉られるくらい辛いことになるだろう。


愛する人の心が、他を向いている事実をいよいよ突きつけられるのだから。


そう思うと、この先を知るのが怖くて二の足を踏んでしまう。


私が見なかったことにすれば、平穏でいられるのでは?


この短い間にそんなことも何度か頭によぎった。


だけど私が知らない振りをすれば、おそらく輝くんはこのままこのビッチと関係を続けるはず。


それを許せるか、と言ったら。


輝くんがいない世界に放り出されるのは怖いけど、不倫するような汚い手で、瑠璃を触られる方が嫌だ。


ならば、私が傷ついても事実を把握し、瑠璃と二人で生きていく準備をしなければいけない。


――瑠璃のために、修羅になろう。


私は、証拠を全て押さえるために、吐き気をこらえながらマウスをクリックした。





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