〈狂宴・中編〉-20
『そうじゃ！奈和の未練を断ち切る為に、荒療治しようかのう？』
『素敵ぃ！サロトさんの“そういうトコ”が、私大好きなのよぉ』
「むぶぶッ…おぶ!?おぶッ!!」
サロトは奈和の頭を優愛に向け、その開かれた股間の下に仰向けに倒し、片足を腹に乗せて踏みつけて動きを封じた。
先程の凌辱で力尽きている奈和の抵抗は弱々しいもので、この片足一本すら払いのけられないでいる。
ただ両足で床を蹴りあげ、顔を左右に振るのみだ。
(タムルの豚の糞塗れになるんじゃ、ワシのペットにはなりえんな……コイツは虐める為の豚として飼ってやろう……)
奈和の中にまだ優愛が居る……それがサロトには許せなかった……タムルの異常性が乗り移ってしまったかのような苛烈なお仕置きが、ボロボロになった奈和に襲い掛かろうとしていた……。
『クハハッ！優愛のケツの下に奈和の顔面があるぜ？こいつは酷えや！おい、刑事さん達、早くしないと大変なコトになっちまうぜぇ？』
「はぎぎぎ!!あぎッ!!あぎぃ!!」
「う…うぶ……うぅぅ……」
最後の最後まで、二人は嘲りの対象とされる……禁断の関係は、秘匿してきた愛は、鬼畜達に暴かれてしまったが故に徹底的に弄ばれる……ガラス容器は空になり、彼女に早く逃げろと願う肛門はビリビリと痙攣して耐えるも、彼女はサロトの足に掛かる体重に抗えず、芋虫のようにグニャグニャと足掻くのみだ……。
(奈和…ちゃんんッ!!に、逃げ…てぇぇッ!!)
(嫌…嫌よ……優愛ちゃ…ん……)
自尊心を引き裂くどころの騒ぎではない責めが、二人に襲い掛かっている。
決して逃げ出す事の出来ない拘束と、脱け出せない踏み付けに、恋人同士は藻掻き苦しむ。
(助けてぇ!!誰か…ッ!!誰か助けてよぉ!!)
衣服を脱がされまいと足掻いたのが、快感など有り得ないと抗っていたのが、今の優愛には単なる“おふざけ”としか思えなくなっていた……悪夢の中では互いに姦される姿を見せ付けられるだけだったが、現実は更に残虐で、苛烈を極める暴力と遊戯の繰り返しだ……下腹部は粘土のように捏ねられ、聞いた事の無い悲鳴と味わった事の無い激痛に包まれている……。
『豚……クソ豚……貴女のコトが大好きって思ってる“彼女”に糞をブッ掛けろぉ……』
「は…があぁぁッ!!!」
突き付けられている殴りたい顔は、何度も優愛と奈和を口汚く侮辱し、せせら笑う……褐色の男達は下半身に群がり、自分の排泄と汚物に塗れてしまう奈和の姿を期待し、好奇心旺盛な眼差しを絡ませてくる……姉は金髪鬼に捕らえられたまま泣き叫ぶのみで、春奈は項垂れて泣きじゃくる体たらくだ……。