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愛しているから
【青春 恋愛小説】

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なんて言うんですか劣等感-2

歩仁内が悪くないってわかっているのに、そっけない言い方ばかりをしてしまう。


いや、歩仁内だけじゃない。


馴れ馴れしい州作さんにも、ハッキリ嫌な態度を取らない沙織にも、苛立つけど……。


「まあまあ、歩仁内、気にすんな。そもそも倫平がハッキリ沙織と付き合ってるって言わないのが悪いんだから」


俺の隣で修が缶コーヒーを飲みながら、歩仁内の方を振り返った。


あっけらかんとしたその言い方はグサッと俺の胸に突き刺さる。


そう、州作さんにも沙織にも、歩仁内にすらも苛立っていた俺だけど、一番苛立っていたのは、ホントは俺自身だったんだ。


「ちょっと、土橋くん……」


奴のTシャツの袖を掴んでクイと引き寄せる石澤さんがたしなめているのが目に入る。


「いーんだよ。こんくらい言わねえと、このヘタレは、いつまで経ってもぬるま湯に浸かったままのぬるーい付き合い方しかできねえんだから」


そう言って、俺に意味深な笑みを向ける修。


奴の言いたいことは、以心伝心みたいに伝わってくる。


そうか、俺は。


ドウテイ脱出するってことばかりに鼻息荒くしていたけど、沙織に対して一歩踏み出す勇気ってのが持てなかったんだ。


自慢じゃないが(ホントは自慢だけど)、沙織は可愛い。


沙織と同じ高校に入学して、一目彼女を見た時から、心をかっさらわれた。


緩くパーマがかかった長い髪。スラリと長い手足。クリッと大きな綺麗な瞳に、スッと通った鼻筋。笑うとあどけなさの残る八重歯。


見れば見るほど可愛くて、なんとしてでも自分のものにしたかった。


対して俺は、と言うと。


スクールカーストみたいなものがあるとすれば、間違いなく上の方に属していると思う。


可愛い彼女がいたり、運動部でもレギュラーでモテモテだったり、ちょっとヤンチャと言われるような遊びをしていたり。


そんな友人と仲がいい俺だけど、だからって俺までモテるとは限らない。


身だしなみとかは結構気を遣う方だけど、元来の自信のないところとか、そのくせイキがって調子に乗るところとか、そういうのを敏感に察知する女子の皆さんからは、結構苦手なタイプと思われていたらしい。




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