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妖怪艶義〜お菊虫〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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妖怪艶義〜お菊虫〜-5

最初は、おそるおそる小さく腰を揺すって――でも彼女が嫌がる素振りを見せず、なにより脳が快楽に染まっていくにつれ、俺は、徐々に大きく腰を使い始める。

その頃になると彼女も動きを止め、まるで俺の腰使いを受け入れるように、深く腰を落としてきた。
見下ろす複眼(め)からは、あいかわらず何の表情も読み取れない。でもその下の、そこだけは人間を模したかのような口は、突き込むたびに薄く開かれ、その中で舌を躍らせていた。まるで、感じているかのように。

異形の虫娘に自ら腰を遣って、あまつさえ快楽を‘交歓’している。
――その想像に、今の俺は嫌悪よりも背徳よりも、欲情を覚えた。

堪らなくなって、俺は布団の上で身を起こす。それに合わせて、今度は彼女が押し倒される格好になった。
人間の子どもくらいはある虫娘が、布団の上に仰向けで転がる。でもやはり、逃げる素振りは見せない。
胸の部分に、甲殻に覆われたふたつの膨らみがあって、ご丁寧に天辺は桃色をしている。身体のほとんどが虫でありながら、そこだけアンバランスにも‘女’を主張する異形の女体が妙に卑猥で、俺は貪るように虫娘に圧し掛かっていった。

彼女の腹を両手で掴まえ、ナカに突き入れる。根元まで沈めたところでプリプリした感触に亀頭が包まれ、俺は腰を震わせた。
相手は意思疎通もできない人外娘。ここで逃げられたり、抵抗されたりするわけにはいかない――もはや射精の事しか頭にない俺は、彼女の腹を鷲掴み、オナホールを相手にするように腰を振りたくっていく。

女を組み敷き好き勝手に腰を遣う興奮と、異形の娘に欲情し、その搾精器官の虜になる羞恥――サドとマゾが交錯し、未知の快楽を紡いでいく。

彼女のぬちゃぬちゃでぐちょぐちょの体内を、剥きだしの亀頭粘膜で掻き分ける快感。
大きなストロークで抜けるギリギリまで引き抜き、プリップリの淫肉がカリ首を弄(なぶ)る快楽を自ら貪る。
そして根元まで深々と突き入れ、彼女の‘子宮’に鈴口をグリグリ擦(なす)り付けて、その悦楽を存分に味わう。

彼女の甲殻は硬く、我を忘れた人間の男が乱暴に扱っても、潰れることはない。
剛直を無理やり捩じ込まれ、最奥をゴツゴツと押し上げられ、彼女の身体が強張る。でもそれは、多分苦痛からではない――突き出されて宙を舐めまわす舌が、彼女の昂ぶりを如実に語っているから。

誘うように、彼女の媚肉が一段と締めつけを増す。根元からカリ首までをキツく締め上げられて、俺は快楽の呻きを漏らす。そのまま突き込み、今度はカリ首から根元の順に甘く締め付けられて、俺は限界を悟る。

ほとんど本能のままに、彼女の最奥に亀頭を擦り付ける。根元を締めつける肉の輪の感触と、鈴口を撫で上げる‘子宮’の感触に、神経が蕩けていく。下半身の感覚が心地良く麻痺して、このまま彼女のナカで咀嚼され、溶けていくような、そんな快感――。

舌を突き出し、虫娘に腰を押しつけ続ける俺の首に、彼女の腕が回される。
ベッドに寝そべっていた彼女の顔が、俺の顔に迫る。あいかわらず無表情な複眼(め)と、ほんのり上気した頬、そして彼女の唇が迫って――。

下から抱きつかれる格好で、虫娘に唇を奪われる。
彼女の柔らかな唇(くち)と舌を感じた刹那、俺は彼女の最奥に、思いきり精をぶち撒けていた。

二度、三度と精を撃ち込みながら。
最後の一滴が搾り切られるまで。

俺と彼女は、飽きることなく舌を絡め合っていた。


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