歪曲の少女 ☆-1
事実精児は偶発的な幸運にも恵まれ、まだ中学2年生の結城美桜をレイプしている。
そればかりかその際に持ち合わせていた盗撮用のデジタルカメラで行為を撮影し、それを材料に美桜に対しその後もセックスを強要していたのだ。
初めて知る少女の膣腔の感触に、精児の陰茎は悦びに打ち震え狂喜した。
それでも精児は巧みに美桜の心中をコントロールし、手放す事無くその幼気な身体を貪り続けていたのだ。
しかしそれと同時に磯崎恵利子に対する渇望にも似た欲求は募り続けるのであった。
そして繰り返し恵利子の外出時をつけ狙い続け、今日に至ったのである。
「死にたくなければ……」
あっけなくパンティーを抜き取られると、屈辱のポーズを要求される。
この時戸惑う恵利子の間隙を縫うように、精児は手に持つナイフをスタンガンに持ち換える。
それは一瞬の事であった。
恵利子の細い首筋にあてられたスタンガン金属部より、青白い火花が十秒近く飛び散り続ける。
もちろん精児もスタンガンによって少女が人形の様に無抵抗になり、自分の欲望を受け入れる状態になると思うほど幼稚な精神構造では無かった。
精児はスタンガンを購入すると文字通り、自身の身をもってその効能効果を繰り返し試していたのだ。
（……精々数分が良いところである。それも意識を無くす様な効果は無く、単に肉体的な苦痛により抵抗を弱める程度である）
そう精児は結論付けていた。
それ故多少なりとも抵抗力を奪えても、到底狭いトイレの個室内において自身が望む様な行為が出来るとは思っていなかったのだ。
精児は手早く自身の下半身を露出させると、恵利子の髪を鷲掴みにしいきり立つ陰茎をその頬に押し付ける。
そして……、そして狭い個室内にスタンガンの青白い閃光とは違った光が、電子音と共に繰り返し瞬き続ける。
恐怖と嫌悪に歪む恵利子の頬、胸元、太腿に押し付けられる精児の陰茎。
それと同時に繰り返される電子音と眩い光。
狭く密閉された異質な空間の中、精児の精神状態も異常さが増し続け……
「どくぅ、どくぅ、どくぅ」
生臭い体液があてがわれた陰茎先端部より突如溢れ出し、恵利子の太腿周辺に吹き零れ汚す。
それでも精児のシャッターを切る手は止まらなかった。
後の事を考慮すればこの時、恵利子の衣類に精児の体液が付着せずに済んだのは、やはり幸運故であろうか？
何れにしてもほんの僅かな時間（2分程度）の間に、藤岡精児は意図していた以上の“画”を手に入れる事に成功する。
スタンガンのショックと眩いデジカメのフラッシュ、そして何より初めて目にさせられた男性器とそれより吐出された体液に恐れ戦く少女にこう告げるのである。
「俺はこの後この場をこのまま去る。声を立てて助けを呼ぶ様な事はしないことだ。もっともそんな事をして辱めを受けるのはお前自身なんだが…… きっと駆けつけた人間はこう思うだろよ。女の子がレイプされたって…… 実際のところなんて、どうでもいい。目にした人間が、どう思うかが重要なんだ。磯崎恵利子！」
男が自分のフルネームを口にした事に、恵利子の表情は凍りつく。
そして男はこう付け加える。
「今度の日曜日、●時に●●駅北口前の●●●前に来るんだ。来なければこの中にある画像がばら撒かれる事になる。そしたらきっと、汐莉や若菜も学校で苛められるだろうよ」
薄気味悪い笑いを浮かべる男の言葉に、恵利子の血の気はどんどん引いていく。
何より男が恵利子の妹たちの名を口にした事に恐怖したのだ。
男は自身が口にした通り、半裸の恵利子を残しその場を立ち去る。
個室に押し入り恵利子の恥辱に満ちた画像を手にするのに要した時間は正味10分に満たぬ時間であった。
全てが藤岡精児の計画通り……、いや、その陰茎先端より迸らせた体液を恵利子の太腿に浴びせた事を考えれば、計画以上の成果を手にしたのだ。
（これで磯崎恵利子に枷をかける事に成功した）
精児は足早に公園を立ち去りながらほくそ笑んだ。
もっとも精児自身、デジタルカメラに収めた画像を持って恵利子を思う様に出来るとは考えていなかった。
人目の多い場所でしかも日中に恵利子を呼び出したのは、結城美桜を呼び出した時と同様である。
それは少なからず磯崎恵利子に対し、十分逃げられる状況、安堵を与える為であった。
まずは恵利子自身を呼び出せる状況を作らねば、今後の計画が水泡に帰すのである。
今回の場合は結城美桜の時とは違い、まだ逃がさぬ為の“肉杭”を打ち込んでいないのだ。
しかし精児には、当日恵利子を呼び出しさえ出来れば、必ずや“絡め捕る秘策”があったのだ。