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花の咲くころ
【女性向け 官能小説】

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-5


荷物を運ぶ余裕はなくて。
「何も今日からじゃなくていいだろ」
という駿ちゃんを
「今日から夢ちゃんがいないから一人じゃさみしい」
と説き伏せた。
勢いってもんが大事だ!

お父さんとお母さんは苦笑いで
「ごめんなさいね」と案外アッサリだった。

2人で駿ちゃんのマンションに式の後、一緒に帰って
駿ちゃんにお布団を借りて空いている部屋に寝ることにした。

「花。本当に一緒に住むつもり?」
ちょっと迷惑そうだけど負けない!
「そうだよ。部屋、余ってるじゃん」
「そういう問題か?」
「だって引越しってお金かかるんだよ!!」
「まぁなぁ」
「電化製品とか家具とかも夢ちゃんに持って行っていいよって
言っちゃったから。あたしはほとんどないんだもん」

なんだかんだいって昔から3つ離れた私には甘い駿ちゃん。
良く夢ちゃんが甘やかしてばかりはダメ。って言ってたよね。

「じゃぁ、次の休みに足りないもの買いに行く?」
おおおぉ!駿ちゃんやっと納得した?
「いいの?」
「あぁ。買ってやるよ。就職祝い」
「やった!」

あたしはウキウキして楽しい春休みになりそうな予感がした。
一緒に住めば、あたしの方に気持ちを向けるのも
頑張れるような気がする!

ドキドキとウキウキとワクワクで寝られないかと思ったけど
お姉ちゃんの結婚式で疲れていたのか
布団に入った途端、寝てしまった。

「はな・・・?」

小さくドアが開いて、小さい声で駿ちゃんがあたしを呼んだ。

ん?しゅん・・・ちゃん?

きき・・っと小さい音を立ててドアが小さく開いて
駿ちゃんがそっとはいってきた。

ああ。初めてのお泊りであたしがちゃんと寝られているか
心配で見に来たのか。
まったく。いつまでたってもあたしを甘やかすんだから。




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