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シャルル・メナス
【コメディ 官能小説】

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王妃マリアンヌの秘め事-3

シャルルは忘れない。
マリアンヌは濃厚なディープキスでシャルルの初めてのキスを奪った。
思い出せ、俺と何度もキスしたことをしたことを。
シャルルは後宮に入れなくなってから、ふとマリアンヌの唇の温もり、香水の匂い、絡みついてきた舌の感触を思い出すたびに勃起した。
忍び込む前な女装をした自分の姿を鏡で見て、マリアンヌのキス、そして香水の匂いを思い出して丈の長いメイド服のスカートの中で痛いほど勃起した。
「ふぁっ、はぁ、はぁ……」
マリアンヌは濃厚なディープキスに体中が火照るのを感じた。今までディープキスをした相手は一人だけ。
国王にもキスを「お恥ずかしゅうございます」と実はは初夜で拒んだ。
マリアンヌはキスだけで蕩けそうになる。
初恋のかわいい皇子様にだけキスは捧げようと、十歳の頃に自分に誓いを立てた。
その頃の甘美なキスの快感を体が忘れていない。
それなのに見知らぬ侵入者にキスを奪われ、感じてしまっている自分が情けなくなり、マリアンヌの目から涙が溢れてきた。
王との初夜で処女をささ捧げる相手が恋慕う皇子ではないことに泣いた。
「痛かったであろうな」と王はマリアンヌが泣きながら眠ってしまうまで、腕枕をして国王は肩を撫でてくれていた。
シャルルは困惑した。
牝の秘花を弄られても泣かなかったマリアンヌが強引なキスをしたら泣き出したからだ。
「そんなにキスが嫌だったのか、マリー?」
うっかり二人だけの呼び方でシャルルは声をかけてしまった。ハッ、とした表情でマリアンヌが泣き止む。
マリアンヌが上半身を起こして座り込む。
「シャルちゃん、なの?」
「……ああ、そうだよ。マリーにいじめられてたシャルルだよ」
自嘲気味にシャルルが言葉を返す。
マリアンヌの華奢な肩が震えた。
またマリアンヌが泣き出した。
今度は嬉し涙が止まらない。
三年間、マリアンヌのことを忘れたことがなかったことや後宮に侵入するには婚礼の儀のお祭り騒ぎで警備が手薄になるのを狙っていたことを話した。
マリアンヌは黙って話を聞いていた。
(シャルちゃんが私に会いに来てキスしてくれた)
復讐に来たとは考えていない。
好きすぎて、我慢できなくて、マリアンヌとしたくて夜這いに来たと考えた。
「会いたかったよ、とても」
マリアンヌはそう言うと、シャルルを探して手をのばした。見えないのがもどかしい。
マリアンヌは燭台に火を灯したかった。
「ダメだ、マリー。真夜中に灯火の光が真っ暗な通路に扉の隙間からもれていたら、不審に思う見回りの侍女もいるだろう?」
手を握ってもらって、マリアンヌがうなずいた。
マリアンヌはシャルルとこっそり二人で持ち出してきたお菓子を庭園で分けあったり、隠れてキスしたりしてた頃に戻ったような気分だった。
シャルルの噂はマリアンヌも聞いていた。
婚礼の儀に参列しているはずとマリアンヌは目でシャルルを探していたのだがいなかった。
「侍女たちの臨時手伝いのふりをして、裏方で料理とかお酒を運んだりしてたから、いたけど気づかなかったんだろうな」
皇子シャルルは、地方の領地に視察に行っていることになっていて、王国にはいないことになっている。
裏方に潜り込んで、チャンスが来るのを待っていたのである。
婚礼の儀は三日間続く。 初日の朝、神官たちによる祝福の祈りと婚姻の誓いを大聖堂で行う。その後王城の謁見の間で宮廷官僚たちの祝辞を受ける。初日の夜は国王と初夜。翌日の昼から城の庭園の一部を解放して、商人などの民衆に城からお披露目で笑顔で手を振りまくる。夜には宮廷官僚たち主催の舞踏会に国王と参加。三日目には評議会主催のパーティに王妃として参加する。公務で人前に晒されっぱなしの三日間。
舞踏会とパーティには後宮に入れたい親たちや見合いも兼ねて貴族や裕福な商人たちが子息や娘をつれて参加する。後宮には王妃や特例を除き二年しか王妃候補としていられない。もうすぐお里帰りの王妃候補たちも舞踏会やパーティに参加する。
だから二日目と三日目は、王妃候補たちについて歩き世話をする侍女たちも大忙しである。
「手も少し大きくなったし、体も鍛えて逞しくなった感じだね」
マリアンヌがシャルルの手に頬ずりしたり、体をぺたぺたとさわりまくる。
時間がない。
ただ、なりふりかまわずマリアンヌに泣いて騒がれたらシャルルの方が追い込まれてしまう。
ここはマリアンヌのしたいようにさせるしかない。
「ねぇ、キスして」
マリアンヌがもう美乳を隠さず抱きしめようと手を広げて、目を閉じてキスを待っている。
シャルルはマリアンヌを抱きしめて、唇を重ねるとマリアンヌが積極的に舌を入れてきた。
ちゅぷ、ちゅ、ちゅっ……。
マリアンヌが唇を離すとおたがいの舌先が絡みあっていて、細い蜘蛛の糸のように唾液が糸を引いた。
マリアンヌのしなやかな指先がシャルルの勃起したペニスを撫でる。
「ここもなんか大人になってるね。おっきいね」
恋愛スキャンダルがなかった理由は、魔法を習った師匠である学者の女法術師レイラのように「真理は探求しなければわからない。セックスもそうだ」とシャルルに知識を分け与えるかわりにセックスを強要したがシャルルは勃起しなかったからでもある。
レイラは同情して、暗闇でも見える魔法や自分の周囲からの音声を消す魔法などを教えてくれた。
「うっ……」
マリアンヌはシャルルの勃起したペニスの場所を手を触れたまま確認して前屈みになると、舌を突起の先端を舐め始めた。
(大きすぎて口を大きく開けないと入らない……)
「マリー、あぁっ……うぅっ」
マリアンヌは美唇と舌をペニスに這わせていく。
シャルルは初めてのフェラチオの快感にマリアンヌを見つめて喘ぎ声を洩らした。
亀頭の裏側を丹念にマリアンヌは舐めた。
片手では握りきれない太さに、マリアンヌが両手をそえて、撫でまわしながらフェラチオを続けた。


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