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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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彼女を、支えるもの…-10

皆に心配掛けちゃったな、私は明るいキャラで通ってるのに、今日の私は一日中抜け殻のように、誰とも口を利かず、でも、元気に振舞う事何て出来やしない。

商店街から一人下校をする私、周りには客や通行人で賑わっている、何だか嫌気が差す。

「あら、杏ちゃん!」
「優梨子さん?」

喫茶店の入り口付近で、掃き掃除をする母と体格も年齢も似た若い女性が声を掛けてきた

「どうも、今日はもう店閉まいですか?」
「いや、お客が全然来ないから、掃除でもしようかなーって」

葛西優梨子サン、うちの母とは高校から友人で、この喫茶店の経営者である。

「まぁこの時間帯はね、所で有希ちゃんはお元気ですか?」
「えぇ、最近はサッカーにはまってるわ」

有希ちゃんは、優梨子さんの一人娘で、今は小学3年生で、彼女のお父さんは彼女が5歳の頃離婚をし、それからは母子二人三脚でこの店を支えている。

「華、いやお母さんは元気?」
「はい、昨日も近くの花屋で一緒にお花を買ったの」
「へぇー、ホント仲がいいのね」
「いやいや、たまたま友人と帰宅してたらばったり。でも色々相談に乗って貰ってます」
「ふふ」

そう微笑み、掃き掃除もソコソコに商店街を見渡す。

「やっぱ似てるよね貴方達親子は。お母さんにはよく元気を貰ったなぁ、私が生活の為に
誰の手も借りずに、女の身で、この店を立ち上げた時だって、幾ら大学を主席で卒業したからって、慣れない経営に色々苦労して、一部の客や同業者から「経営者辞めろ」「大人しく主婦でもしてなっ」って言われた時はへこんだな。でもっ!そんな私を励ましてくれたのが」
「うちの母って訳ですね」

黙って頷く優梨子サン。

「ホント、元気が一番よね、どんな時でも笑って居られて」

そう言われると、娘である私まで鼻高々って感じ。

「所でさぁ、杏ちゃんって接客とか得意?」
「えっ?」

何だ、いきなり。

「実は今ちょっと人手が足りないのよねー」
「あっじゃー私が今から小樽の海まで行って採って来るわ」
「うん、なるべく新鮮で、そうね20匹ほどあれば美味しい海の幸に出会えるであろう」
「それじゃー今から」
「はーいよろしく…、ってそのヒトデじゃなーいっ!」

お互い息のあったジョーク、まぁそれはさて置き。

「あれ、でもずっと前、母と来た時は結構居たように」
「それが辞めちゃったのよ、ほとんどバイト君だし、受験とか色々あって」
「で、私にちょっと手を手伝って欲しいと」
「うん、貴方、華に似てとっても活発的だし、きっといい動きをしてくれそうだし」
「そんな、私なんかそそっかしいよ、昨日何かうっかりお湯のはった湯船の上でドライヤー掛けてたら、そのまま湯船に落ちちゃってさぁー」
「はいはい、解った解った。そそっかしいのは私だって、お宅のマァーマに言われるよ
 「うっかり者」とか「何でそれを先に言わないのよ」とか、昨日だって渡すって今朝言った手前、バイトの子に言われるまで、渡し損ねたのよ、給料明細書を」

返す言葉も無く、苦笑いをする。だが実際失礼ながら、優梨子さんは少々おっちょここいな所がある。

「まぁ、すぐにとは言わない、気が向いたら何時でも声を掛けてね、バイト代もちゃんと出すから」

そう言われ、私は彼女との会話を終え、商店街を後にした。


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