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カウントダウン
【女性向け 官能小説】

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「なん・・・で?」
「ゼロになったから」
「梅雨が終わったら、海に行く約束したじゃん!」
「うん。でもよく考えたら水族館のあとに海に行っただろ?」

それは子どもをなだめるように。
わがままな子供に根気強く諭すように。
蒼くんは私に話し続けた。

外で降り続く雨はもう5日目だ。

「まだ・・・まだカウントはあるもん!」

このまま蒼くんと別れたくない!
次に女の子と歩いている蒼くんを見たくない!

「俺のやりたいカウントはゼロになったんだよ」
「うそ!」

食堂だということも忘れ、蒼くんを問い詰めた。
もう午後の講義は始まっていて。
食堂は人がまばらだった。

「蒼くん。なんでこんなに急なの?」
「・・・・」
「蒼くん!」

「俺が教えてやろうか?」

元カレがため息をつきながら私たちのテーブルに近づいてきた。

「え?なんであんたが・・・」
「里香さぁ。自分が近頃、周りになんて言われてるか知ってる?」
「おい!」

蒼くんがそれ以上言わないように凄んで見せるけど
元彼はそんな顔なんか意に返さず話し続けた。

「蒼と里香がなかなか別れないから、オンナ達から里香はセックスで
蒼をつなぎ止めてるって言われてる」
「―――うそっ」
「ホント。淫乱女だって」
「・・・・」
「出処はやっかみだけどね。もう俺たちで消せないぐらい広がってる」
うそ・・・





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