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雨が雪に変わる夜に
【女性向け 官能小説】

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雪の夜-4

 亜紀の小さなベッドに、亜紀と遼は全裸になって抱き合い、脚を絡め合い、激しく口を交差させていた。

「遼、遼!」亜紀は息を荒げ、また遼の口を吸った。遼は舌を亜紀のそれに絡ませた。下になった亜紀の頬を二人の唾液が一緒になって流れ落ちた。

「亜紀! 好きだ、亜紀っ!」
 遼は亜紀の身体を抱きしめたまま、耳たぶを咬み、首筋を吸い、鎖骨を舐め、柔らかい曲線を描く双丘を代わる代わる咥え込んだ。
「ああ! 遼、遼! あたしも好き! 愛してる」

 亜紀の身体中に唇と舌を這わせ、最後に彼女の中心にそっと舌を差し込んだ。
「んんっ!」亜紀は呻き、身体を仰け反らせた。
 遼の舌は亜紀の谷間と、茂みの下にある固くなった粒を時間を掛けて愛した。
 亜紀は過呼吸の症状のように激しく喘いだ。
「遼、遼っ! 来て、お願い、あたし、あなたとまた一つになりたい!」
「亜紀!」遼は叫んで、亜紀の両脚を持ち上げた。「亜紀! いいかい? 入ってもいいかい?」
「来て! 遼、早く来てっ!」

 遼は自分の身体の中心で大きく反り返ったものを亜紀の谷間に押し当て、ゆっくりと中に沈め込んだ。

「ああああっ!」亜紀は身体をよじり、大声を上げた。
「亜紀! 亜紀っ!」
 遼は激しく腰を前後に動かした。
「遼、あ、あなたの想いを、全部、あたしに頂戴、お願い、全部!」
「亜紀、もう君を離さない! だ、だから、ぐううっ!」

 遼の身体がびくんと硬直した。

「ああああーっ! 遼、遼っ!」亜紀が叫ぶ

 遼の身体中を駆け巡っていた亜紀への想いの全てが、亜紀の身体に包み込まれた遼自身から激しく迸り、その熱さは亜紀の身体中に広がっていった。

「遼ーっ!」「亜紀、亜紀っ!」



 遼の胸の中で息を整えながら、亜紀は幸せそうな顔で言った。「やっぱり安心できるし、すっごく感じられる、遼に抱いてもらうと……」
「そう?」遼は、口をとがらせて、ついばむようなキスをした。「僕もだ、亜紀」
 遼は、そのまま亜紀の身体に腕を回した。
「あれ?」
「どうしたの?」
「ちょっと身体を起こして、亜紀」
「う、うん……」

 遼が回した腕の下あたり、枕の陰に隠れた場所に、金色に光る、細い鎖がうずくまるようにしてあった。
「あ! 遼のネックレス!」亜紀は大声を出した。「こんなところに! 良かった……」
 亜紀は涙ぐんでそれをそっと指ですくい、手のひらに載せて遼に見せた。
 遼は何も言わずに微笑んだ。
「ごめんなさい、遼」
「見つかって良かったじゃない。もう6年も経つから切れてしまったんだろうね。後で直すよ」
 遼はバッグからライトグリーンのハンカチを取り出し、その細い金色のアクセサリーを亜紀から受け取ると、大切そうに包み込んだ。

 亜紀と遼は再びベッドに寄り添って横になった。
「明日荷ほどきしなきゃ、この荷物……」
「そのままでいいよ」遼が亜紀の髪を撫でながら優しく言った。
「え?」亜紀は上目遣いで遼の顔を見た。
「明日、運送屋に電話してさ、送ってもらうよ」
 亜紀は遼から身を離して起き上がった。「どこに?」

「僕の部屋に」

「遼……」
 亜紀の双眸から涙が溢れ始めた。

「おいで、亜紀……」遼は両手を広げた。
 亜紀は躊躇わず彼の胸に顔を埋め、背中に回した手で、ぎゅっと力一杯その逞しい身体を抱きしめた。

「あったかい……」

 外の空間では、雪がしんしんと音もなく空から落ちていた。

「積もりそうだね……」亜紀が言った。

「いずれは溶けて、また見えてくるよ。いろんなものがね」

 亜紀は躊躇いがちに言った。「今度さ、遼」
「うん?」
「また一緒に小樽に行きたい」
 遼は亜紀に顔を向けてにっこりと笑った。「いいね」
「運河の所で、また写真撮ろうよ」
「そうだね。今度は雪が降らない季節に行こうか、梅雨のない6月頃。ハネムーンで」

「う、うん」

 亜紀は潤んだ瞳で遼を見つめた。

――the End

2013,11,21(2014,5,1)

※本作品の著作権はS.Simpsonにあります。無断での転載、転用、複製を固く禁止します。
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