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雨が雪に変わる夜に
【女性向け 官能小説】

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雪の夜-3

「あたしね、今になって解ったことがあるんだ」亜紀が一つため息をついて言った。
「え?」
「あなたに『別れよう』って言われた時は、すっごく悲しかったけど、それから今までの三年間は、あたし達にとって必要な時間だったんじゃないか、って」
「どういうこと?」遼は亜紀に身体を向けた。
「前につき合ってた頃って、二人ともまだ気持ち的に高校生のままだった、って思うの」
「高校生?」
「うん。些細なことでケンカして、でも相手の気持ちを聞くのが怖くて、突っ張ったり、思い悩んだり。あなたはあたしに気を遣ってなかなか本心を明かさなかったし、あたしも、それならそれで、って構えちゃってて……。表面上は仲良しって言えるかも知れないけど、まだ手探りから抜け出せていなかった、って言うか……」
「わかるよ。それ」
「わかるでしょ?」
「うん。僕はこの街で警察官になってからも、君といつも会っていたくて、でも仕事柄そういうわけにもいかなかったし。だから、君とやっと会えた時は、抱きしめて、キスして、一つになりたいっていつも思ってた」
「どうしてそうしてくれなかったの? 食事して、部屋でお茶飲むだけでいつも帰ってたよね、遼」
「何かさ、そうやって君を求めたら、身体のためだけにつき合ってるって思われそうで……」
「ストイック過ぎだよ、遼。そんなの、男としては天然記念物並みじゃない?」
「だってそうだろ? たまにしか会えないのに、会えばセックスする、って、いかにもいやらしい男の考えることじゃないか。女の身体に飢えてる男」
「あたしはそれでも良かったよ。だって、遼に抱かれると、とっても安心できるし、いっぱい感じられるし……。女だって、好きな男性からそうされるのはとっても幸せだって思うものなんだよ」
 亜紀は遼が身に着けているスウェットの上着の裾を持ち上げて、彼の筋肉質の胸を優しく撫でた。
「あ、亜紀……」
「遠慮しなくても、良かったんだから……」

 亜紀の手で上半身裸にされた遼は、顔を上気させて亜紀の唇に自分のそれを押し当てた。
「んん……」亜紀はうっとりしたように目を閉じて遼の背中に手を回した。

 口を離した遼は、亜紀の目を見つめながら言った。「この三年で、君への想いが熟成されたような気がする」

「あたしも。蛹から羽化して、やっと本当の自分を見てもらえるようになったみたい……」


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