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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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7.罪より先に与えられる罰は無い-5

「……じゃ、こうするよ」
 と、男はどこから持ちだしたのか、輪ゴムを二重に回して幹の根元へ留めた。
「あ、あんまり強く縛るとさ、うっ血しちゃうし。でも、コレなら漏れ出したりしないから、悠花ちゃんも安心でしょ?」
「……」
「っていうか、あんまりジラさないでよぉ。早くエッチなこといっぱいしたいんだからぁ……」
「……っ!」
 男が膝をついたまま悠花へにじり寄って来て、思わず悠花は顔を方へ逸らした。
「だーめっ。悠花ちゃん? 真上向いて?」
「……イヤよ」
「オチンポにゴム付けて輪ゴムで縛るまでしてあげたんだよぉ? 悠花ちゃんにも、ちゃんと言うこと聞いてもらうからね? ほら、ちゃんと真上向いて、目開いて? ……また歯向かったりしたら、本当に写真ばらまいちゃうよぉ? まーた、5秒数えて欲しいのぉ?」
「くっ……!」
 仕方なく悠花は顔を正面に向ける。吊られた両手の間から醜悪な姿が見えた。
「なんでいちいち、こんなことさせるのよ? さっさと始めたら?」
 睨みつけながら言うと、自分の肘の影の向こうに見える先端の溜まりに、また透明汁が噴出しているのが見えた。
「だ、だってさぁ、そのキレイなお顔ずぅっと見ていたいじゃん? ね? 顔背けたり――」もともと涼しげで冷たい印象だが、更に険しくしている瞳を覗き込みながら、「目も閉じたりしちゃだめだよぉ? しっかり開いて見ててね?」
 卑劣な男の顔なんか見たくない。焦点を合わせず、ちょうど頭上にあった薄汚れた天井の黒い焼け付きに焦点を合わせた。
「ところで……、悠花ちゃん、コレ、なーんだっ」
 なのにスッと顔の前に何かを差し出されて、否応にもそこに焦点を合わせる羽目になった。柄の部分をつまんで差し出された物は、どう見ても歯ブラシだった。
「っ……何する気!?」
 全く想像していなかった物を見せつけられ、察知力をどれだけ動員しても意図を予測することができなかった。「変なモノ使わないで」
「ふふっ……。だーいじょうぶっ。これ新品だよ。いま箱から出したのだし」
 さっき視界から消えたのはこれを取りに行っていたのか。しかし何のために――?
「じゃ、悠花ちゃん……」
 そう思っていると、正座のまま身をかがめて、悠花の枕元へ顔を寄せてくる。柄を長めに持って歯ブラシの先を、肘を曲げて上げた腕とマットの間に忍び込ませると、髪をかき分けるようにして、耳へ毛先をトン、と当てられた。
「ひっ……」
「ほおら、目、閉じたらダメだよ」
 すぐさま指摘される。毛先が耳に触れた感触に、反対側へ首を向けそうになったが、男の言葉に何とか目を細めて耐える。歯ブラシの毛先は軽く耳穴の縁や耳たぶを撫でてきた。ごく稀にチクリという感触はあるが、耐えがたい痛みはない。
「……は、悠花ちゃん、耳は、性感帯じゃないのかなぁ?」
 実際、全く平気だった。くすぐったい。最初の毛先の接触で思わずビクッとなってしまったが、二回目以降では何も反応を示さないで充分耐えられるほどの刺激だった。
「何これ? バッカじゃない?」
 こんなことなら全く平気だ。この程度が続くのならば、自分の勝ち、ということで、この馬鹿げた勝負を簡単に終わらせることができる。
「そぉ……、じゃ、こうしたら?」
 歯ブラシの毛先は、耳元から顎のラインをなぞると、首筋へと降りてきた。ピクッとまた体が跳ねる。しかし、歯ブラシが鎖骨近くまで降りたあと、再び戻ってきた時にも、もう一度体が跳ねてしまった。
 歯ブラシが往復する度に、同じ反応を示してしまう。


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