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冬桜
【SM 官能小説】

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(第三章)-5

欲しかった…。私はどうしても彼のものが欲しかったのだ…。

革のショーツを脱ぎ捨てた私はゆっくりと彼のからだに覆いかぶさった。彼の下半身に跨り、
彼のペニスを自分の中に無我夢中で引き込み、激しく腰をよじった。欲情のさざ波が子宮の中
から泡立つように這い上がり、肉襞をえぐり、空洞を突き抜けていくと、私の性が今にも中空
に舞い上がろうとしていた。

肉の合わせ目から次々と蜜汁がしたたり、そそけ立った陰毛が激しくなびく。彼のペニスを気
が遠くなるほど引き締めると、まるで色褪せた肉襞を剥がされていくように薄い霞のかかった
花芯で新たな肉欲が芽生えていた。

溢れすぎた蜜液は、タツヤのペニスに絡みながら毒々しい響きを奏で、やがて私の中に広がる
茫漠とした水面を渡り、瑞々しい海の沖へと流れていく。


ペニスの鈴口から続く細い空洞は、薔薇色の雲母の翳りを生み、奥底からやがて溢れ出す精液
の鼓動と光が織りなす蠱惑は、私の欲情を次々と剥き出しにする。血流が煌めき、欲情の波光
が、陽炎のようにゆらゆらと私の中で蠢く。

子宮の中で新たな風がそよぎ、卵巣が眠そうな瞳を開き始める。散りばめられた宝石のような
光が、子宮に広がり、まるで甘い果実酒に酔ったように私の中が潤んでくる。微かに開いた
淫唇の端から糸をひくように滴るよだれが、のけ反る私の太腿の内側に流れていく。


私は激しく腰を振った。肉襞がのたうつように弛緩と吸引を繰り返すと、私の体が弓のように
そり返り、咽喉元を少しずつ絞められるよう甘美な眩暈が私を襲ってくる。烈しさに漲った性
の結合は、私の心の洞窟を少しずつ押し広げ、肉を蕩けさせ、やがて忘れられた性の澄み切っ
た蒼穹をのぞかせる。

…ああ、…いい…もっと…もっと…

私の中で沸きたつ嗚咽とともに唇の端から、糸をひくように涎が滴りっていた。

私に犯されるタツヤの瞳の中には、まるで深海の底のゆらぎのような濃厚な憂いを湛えている。
もがき続ける私のからだの奥で、精液に溶けた肉襞の欠片がふわりと拡がっていく。それはや
がてあの冬桜の花びらとなって私の中を彩っていく。

津々と私の中に散り積もっていく冬桜の花びらが、瑞々しい欲情を美しく浄化していき、襞の
細かい肉穴から溢れ出した愛液が、彼の精液と睦み合うように混ざっていく。ほとばしる欲情
の眩惑に、わたしの子宮がよじれながら、ゆるゆると弛んでいた。

閉じられたものが開かれ、見えなかったものが、私には見えるようになった気がした。眠って
いたものが目覚め、採りたての果実が潰されたときに滴るような汁が、懐かしい追憶の香りを
私の陰部から匂わせていた。



ふと、瞼を開けるとホテルの庭園に咲いた冬桜が瞳の中にゆるやかにひろがる。

私に鞭を打たれ、からだの隅々まで嬲られ、貪られるタツヤの至福に充ちた喘ぎ声が、まだ私
の中で耳鳴りのように残っていた。

愛していたのはノガミであっても、息苦しくなるほど私が求めていたのはタツヤだった。黎明
の淡い光に霞むようにタツヤの精が私の肉の中に溶けていく。そのとき、私は自分のからだの
中に、懐かしい詩を感じたのだ。豊饒に充ちた透明な性の詩情へ誘い込むタツヤは、私を高ら
かな欲情へとみちびいてくれそうだった。

しなやかな枝に可憐に咲いた冬桜の花びらは、仄白い真珠のような輝きを雫のように滴らせ、
燦爛と耀いている。その光景を見たとき、なぜか私は、胸の奥を強く締めつけられる切なさを
感じた。何かにに溺れようともがく心と性が、脅えたようにひび割れ、血流が息を荒くし、私
の相貌をゆがめていく。そのとき私の中にとどまっていたものが溶けだし、飛沫をあげ宙に
舞いながら、まるで迷路のような性愛の虚空へと私を運んでいくのだった…。



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