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LOVE AFFAIR
【アイドル/芸能人 官能小説】

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2.幸運は勇者以外にも味方する-5

 少し前に、県警が或る違法風俗店に踏み込んだ。まさにセックスの最中だった相良のもとに捜査員が何人も押し寄せて現行犯逮捕した。金を払っての本番行為。逮捕の名目は買春だったが、もともとネット上でもこの店はローからミドルティーンの女の子を18歳以上と偽り、しかも交渉次第では淫行ができると噂されていた店だった。実際踏み込んだ際に相良が交わっていた女の子も、調べてみると14歳だった。相良はその子に自前の制服を持って来させ、10万以上の金を渡して本番行為に及んでいた。少女の携帯メールから、相手が中学生と知っていながら行為に誘っていた証拠も出て、たちまち別件でも逮捕されることになった。
 証拠集めのために、相良の部屋の強制捜査が行われた。捜査員が部屋の中に入っている間、村本はドアの前で手を後ろに組んで立つ周辺警備の役目だった。捜査員たちも部屋の異臭に声を上げて文句を言っていた。しかし、男の部屋のパソコン、DVDから少女たちとの行為を収めている写真がどんどん上がり、
「とんだ変態野郎だ……、叩きゃいくらでも出てくるぞ、こりゃ」
 捜査班長の刑事は鼻をつまみながら、夥しい数の証拠物件を全て箱に詰めて持ち出すよう指示していた。
 今日、村本たちがやってきたのは、執行中の張り紙で差し押さえているこの部屋を解放し、オーナーに返すためだった。
(あった)
 村本はちらりと入り口の方をみやった。戸口には誰も立っていない。若い警官は本当にこの部屋から距離を置いて待っているのだろう。誰も見ていないことを確認すると、荒れた部屋の隅にある戸棚へ向かう。棚の上もホコリがかぶり、様々なものが散乱していた。
 コーナーのフックにたくさんのキーホルダーが吊り下げられていた。そのうちの一つは、数年前に人気となり、村本も毎回録画したアニメ作品のキャラクターを2等身にしたフィギュアが付されたものだった。しかもDVDの予約特典に同梱された交換券を持ち、アニメイベントのブースに駆けつけなければ手に入らない、レアアイテムだった。
 手に取り、瞳のやたら大きい緑色の髪の女の子のリボンの部分をグッと押す。すると女の子の足元からUSBの端子が顔を覗かせた。パソコンやDVDを全て押収したのだから、記憶媒体としてのコレも押収対象でなければならない。しかし捜査員たちは気づかず、入り口に立っていた村本だけが気づいていた。ネットオークションでは数万円の値がついているし、そもそもコレクターはオークションには出さない。
 村本は男の部屋の解放を指示されたときに、真っ先にこのキーホルダーの存在を思い出した。若い警官が一緒なのをどうしようかと思っていたから、自ら部屋に入るのを辞退すると言った時、もうコレを自分のものにすることで腹が決まっていた。
 勤務が終わり、家に帰るとキーホルダーを眺めて悦に入った。所有者となったことによるニヤケ顔が止まらない。消毒アルコールで丁寧に表面を磨きながら、
(まてよ……)
 あれだけの淫行の様子をパソコンやDVDに貯めていた男だ、この中にも何か入ってるんじゃないか?
 ノートパソコンの電源を入れ、USBを差し込む。するとウィンドウが自動的に開いた。
「ウイルスは勘弁してくれよ」
 と独り言を言いながらも、興味には勝てなかった。フォルダは1つだけ。"Love Affair MAKI"という名前だった。
 フォルダを開くと何枚ものJPEG画像が入っていた。一枚ずつ表示していく。テーブルの向こうの二人の女子高生。一人は立っていて腕組みしており、首から上が写っていない。もう一人は椅子に座っているが、目線はこちらを向いていない。
(……隠し撮りだな)


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