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好き…だぁーい好きなんだからっ!
【幼馴染 恋愛小説】

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言えなくて…言えなくて-3

「はぁぁぁぁーー…」

私は、心身共に疲れた体を、お母さんが入れてくれた泡風呂に、身を寄せ
先ほどカラ、虚しく宙に浮かぶシャボン玉に目をやっていた。

「絆…、どうして?」

確かに彼は、私から避ける時はある。ただそれは月に一度開催されるコンクールが迫り
出展する絵を、色々と思考錯誤させ、時には締め切りが後一日しか無いのにも関わらず
イメージと何処か違うっ!…、と言いそれまで何時間も掛け書き上げた作品を捨て
真っ白の新しい白紙に、筆を付ける…。

それほど絵に対しての情熱が溢れ、その時は私の事には目にもくれない。
小さい頃からそうだ、そのせいで時より「私と絵、どっちが大事よっ!」と喧嘩になった
事もあった。

だから高校生となり大人に近づく年齢となった今、絆の美術部の事情はマネージャーの
様に、何時コンクールがあるか把握してる私は、その時だけは邪魔をせずただ彼の大好きな絵に励む姿を、陰ながら応援し支える…、今までそうしてきた。

ケド、今日の絆は何処か違った。
最初大きな疑問を抱きつつも、部室を出て、物心付いた頃からマネージャーの如く
必ず発行される度集める、彼が何時もお世話になってるコンクールのチラシや、
時よりクラスの子に頼まれ、看板やポスターのデザインをし、その度彼からその話を聞き
依頼予定日等を書き込んだ自前の手帳を、1ページくまなく探すも、今日この日はその
どれにも当てはまらない…、コンクールはつい此間終わってゆっくりしようって本人も
言い、クラスの子から何か頼まれた様子も無く。

私、彼に何かしてしまったのでは無いだろうか?
昨日公園で、彼にちょっときつく怒り過ぎただろうか…、いやそんな筈は無い
大体アレは絆が悪いのだ、体が弱いんだから無茶すんなって言ってるのに
そんなやり取りはしょっちゅうで、彼自身も後で謝ってて。まさかそれを根に持って
今日、あぁやって私を人払いした…、まさか。

そりゃー嘘ついてその理由も語らず、私から放れた事は、頭に来るし悲しい
…でもそれ以前に彼が心配だ。今日最後に見た彼の顔、今にも泣き出しそうだった
彼はどちらかと言えば女子の私より泣き虫だが、あの泣き方は…何か違う…。

何か心配事でもあるんだろうか?それなら尚更腹が立つ、私に言わない何て。

泡風呂が落ち着き、それまで宙に浮いてたシャボン玉の姿が消え

「おーい、杏ぁ!、まだ入ってんのかぁー?」
「はいはいっ!今あがるよ!」


私に何が出来る?
あんな思い詰めた彼の姿、私だって見たくない。

明日、何時も通り彼に挨拶しよう、そして…



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