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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの道2-7

「ねえ、久留米さんに変なこと言ってないよね?」


ちらっと上目遣いで塁に訝しげな視線を送ると彼はカラカラ笑った。


「大したことは言ってねえよ。玲香について知ってること教えてたんだ。誕生日とか血液型とか……」


「乙女かよ」


すかさず久留米さんがクスクス笑いながら突っ込む。


何この息の合った掛け合い。


こんな短時間で打ち解けるような話題なんて、何があるっての?


やっぱりなんか怪しくて、塁に疑うような眼差しを投げ掛けると、彼はそれはそれはイヤラシイ笑みをこちらに向けて口を開いた。


「あとは……そうだな。お前の好きなプレイとか、バックが大好きなとことか、性感帯は耳だとか……」


……それか!!


見れば久留米さんは口を覆って必死に笑いを堪えるように肩を震わせている。


次第に怒りがこみ上げてきたあたしは、塁のブルーと紺色のストライプ柄のネクタイを掴み上げた。


「あんた、なんてこと言うのよ!」


「何だよ、こういうことは大事だろ? 性的不一致は結構深刻な問題に発展するんだから、あらかじめ彼女の悦ぶポイントを押さえておけば円満なつきあいができる……」


塁の言葉を最後まで聞くことなく、あたしは思いっきり奴の足を踏んづけてやった。




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