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命令チップ04
【SF その他小説】

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復習を誓う男-3


次の日、僕は影山を探しに街に向かう。

町中を歩きキャバクラを覗いてまわったが数が多い

「これは見つからないかもしれない」

あきらめそうになった時、ふと見ると

お店の前で3人黒服が怖い顔で直立していた。

客は、その異様な雰囲気を察してか、店には入らないようだ

「ここだ、間違いない」

しばらく物陰から見ていると、黒服が横に動いた、

ドアが開き、中から男が出てくる。

「影山だ」

少し酔って嬉しそうに黒服の胸ポケットにお金を差し込みながら何か言っている。

そしてフラフラと歩き、僕の方に向かってきたので、

慌てて背中を向けて影山が通り過ぎるのをまった。

気づかれてはいないはず。

影山は、何事もなかったように通り過ぎ、人波にまぎれていく

「ヤバイ 追いかけないと」

早足で追いかけたら、影山がフラフラして歩いていた。

「近づいてこれを付ければいいんだ」

奴の背中を遠くに捉えながら距離を詰めていく

人波が多くなり見失いそうになった時、

大通りから脇道に入っていくのが見えた。

僕は急いで行き脇道を覗くと影山が消えていた。

「しまった、見失った」

少し離れすぎたのか?

慌てて反対側の道に出て周りを見る。

「ああ、どっち行ったんだろう?」

左右から多くの人が行き交っていて見当たらない

「絶好のチャンスだったのに何やってんだよ僕は」

必死でリュック背負った黒服の男を探した。

「誰を探してるだ?」

目の前を歩いていたオヤジが聞いてきた、

オヤジは僕の返事を待たず通りすぎてしまう

「へ?」誰だろこのオヤジ

すると、その後ろを歩いている若者が僕を見て

「あの時死んで無かったんだな」と睨む

彼の横に子供を連れた母親が

「ちゃんと確認しとけばよかったわ」

子供が「神に逆らう異端者め」と指差す。

そして怖い顔したスーツの男が

「しっかり死んどけよ」と叫んだ

そいつの肩越しから見える先に、手をポケットに入れて睨む影山が立っていた。

「いた!」

スーツの男がいきなり殴ってくる、

「おりゃ」

しかし、威勢とは裏腹で力ないパンチだった。

「なんだこれ」と言うと

「なんだこれ」スーツの男も驚く

まるで酔ってるみたいだ。

僕の周り2、3人が捕まえに来たけど避けられた

「わぁ なんだ、なんだ」とその周りの人たちが騒ぎ出す。

目の前の人たちしか操られていないようだ。

「許容量オーバーを気にしているのか」

おかげでどうにか避けられる。

人が多い中で一斉に襲ってきたら逃げられない

つけるなら、今しかない!

避けた先の人たちが次々に操つられ襲ってきた。

「切り替えてるのかよ」

でも掴まれても力いっぱい振りきれば抜けられた。

「そこにいろ影山!」

襲い来る彼らの攻撃を避けながら、一直線に影山に走った

「おいこら、うごくんじゃねー」と影山が叫ぶ

おばさんや女子高生達がゾンビみたいに来るけど捕まるわけない

「うおおおおおお」

走るスピードに合わせて目の前の人たちが操られる

すると影山の様子が変わってきた

「なんだこれ、酔が増して気持ち悪い」

影山は口に手を当てている

僕は走りながらポケットにある黒いチップを取り出し指につけて手をのばした。

「皆の恨み、晴らしてやる!」

「うわぁ やめろおおおお」

両手で顔をガードしてる、今だ!

「これでお前はお終いだ」

影山の手にチップを付けた。

黒いチップが手の中に入っていく、

僕はそのまま走り抜けた。

「なんだ、何した!」

「一週間後まってろ」

そのまま走り続ける

「何したぁ ちくしょう、絶対に見つけて殺してやる! まってろ」

振り向くと影山が道の真ん中で吐いていた。

周りの人たちは迷惑そうな声をあげている。

僕は人波に隠れながら逃げることができた。



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