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少女剣客琴音
【歴史物 官能小説】

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下女見習い-1

琴音は早く師匠と太刀合わせをしたくて気持ちがはやっていた。木刀を2本用意すると無角の所にやってきた。
無角はまた琴音に前に座るよう言った。
そしてまた酌を求めた。琴音は素直に酒を注いだ。
「何杯でもお酌致します。ですから是非太刀合わせを」
「返杯じゃ。今度は一杯注ぐが良いか?」
「はい。構いません」
琴音は杯一杯の酒をクイッと飲み干した。
「でもって、この料理じゃが、誰が作っているのかな?」
「はい。下働きの女が作っております」
「あの背中に赤子を背負って働いている女のことか?」
「はい、さようです」
「今日からその女に教えてもらって料理を作るようにせよ。またその女の仕事を全て代わりにするように」
「何故でございます? それは稽古となんの関係もないではありませんか?」
「ある。その仕事をしている間、赤子を背負うのじゃ。乳を飲ます時だけ交代して一日中背負って仕事をすることじゃ」
「それでは赤子でなくても何か重い物を背負えば良いのでは」
「物では駄目だ。生きている赤子だからこそ注意をする。
そして様々な仕事をして集中することが必要なのだ。
すべて自然に行い、赤子を背負うことに意識がなくなるまで行うこと」
これには琴音は苦労した。母親は琴音が幼いうちに亡くなっていた。琴音は武芸に励んでいた為に家事は一切行わなかった。
それを1から始めねばならない。下女に頼み込んで赤子を背負い、包丁の扱いから習った。
だが修業だと思うとこれも楽しいことで、琴音は家事の仕事を楽しむようになった。
また下女が常に一緒について廻るので、様々な下々の話題を耳にすることもあって、見聞が広がるのも楽しかった。
無角はときどき琴音を呼びつけて、世間話をさせた。その間も赤子を背負ったままであるが、琴音は背筋を伸ばして姿勢を崩すことはなかった。
何日も経って、無角は2つの膳を挟んで琴音と一緒に食事をしていた。
「このように昼餉を共にできて、わしとしては満足じゃ。ところでこの後、赤子を下女に返してやるがいい。新しい稽古を授ける積りだ」
そう言いながら無角は一つ一つの料理を口にするたび、その味を褒めた。
一緒に食べながら琴音は自分の料理を褒められて顔を綻ばせていた。
ああ、これでこの修業も終わる、琴音はそう思うと逆に寂しい気持ちにもなった。
だがそれ以来修業が終わった後もときどき下女に手伝って家事をしている琴音の姿を見ることが多かった。
 


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