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噂をすれば恋
【女性向け 官能小説】

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「真樹?」

森川さんとお店に行こうとしたところで後ろから声をかけられた。

この会社は大きい。
人数も半端なくいる。
会おうと思っても約束でもしない限り会えない。
まして偶然に会うなんてめったにない。

それなのに。
こんな風に他の男性と二人でいるところを金子さんに見られるなんて。

「仕事って言わなかった?」

明らかにムッとしているその口調は
完全に私と森川さんを誤解しているらしい。

「仕事です」
「・・・・へぇぇ」

全く信用してないな。

「山口さん?」
すでにエントランスを出ていた森川さんが心配して声をかけてきた。
「とにかく仕事です。失礼します」
後で、電話をかけて説明すればいい。森川さんは時間がない。

軽い駆け足で森川さんに追いつき
お店の名前をいえば
「あぁ。あそこ、俺も好き」
と気に入っていただけた様子。

駅前のそこに入る前に
森川さんのスマホが震えた。

「はい。森川。
――――あぁ。仕事。
――――ちょっと待って」

彼女かな?帰国した日に広報が時間とらせちゃって悪かったな。
そんな事を思っていると森川さんがスマホを耳から外して

「山口さん。2時間ぐらいかな?」

と聞いてきた。
彼女とこの後の、約束かな?

「はい。食事は2時間の予定ですが
はやめに食べて、インタビューが終わったら解散で構いませんが」

と言うと
「2時間だな」
と電話の相手に約束をしている。
ん?2時間ゆっくり食事していいの?
彼女が待ってるんじゃないの?

そんな心配をよそに森川さんは通話を終わらせた。









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