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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの道1-4

真っ直ぐな瞳にゴクリと喉が鳴る。


いつだってこの瞳で見つめられる度に、一挙手一投足に、あたしは翻弄されてきた。


惚れた弱みなんだよね。この視線を受ける度にあたしは胸を高鳴らせ、甘い展開を期待してしまうのは。


毎度この視線にドキドキさせられるあたしは、まるでパブロフの犬みたいだった。


微かな期待を膨らませて彼の言葉を待っていると、その表情がヘラリと柔らかくなった。


「そりゃ寂しいに決まってんだろ。

今までギャーギャーうるせえのが当たり前だったのに、それが当たり前じゃなくなるんだから」


でも、求めていた答えと違ったことに少しガッカリしてしまう。


寂しいって思ってくれるのは嬉しいけど、甘い雰囲気で言ってないのがわかるから、物足りないのかも。


そもそも久留米さんは、一緒にいてもそんなにベタベタひっついてもこない。


ねんごろあたしの方が痺れをきらして甘えにいき、彼が笑いながらそれを受け止めてくれるパターンばかり。


どうも久留米さんはイチャイチャベタベタがあまり好きじゃないみたいだからかな。


イチャイチャベタベタが好きなあたしは、それでたまに寂しい思いをするときがある。




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