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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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告白-1

何時もと変わらず、学校へ足を運ぶクラスメート達。
そのクラスメートの、後ろ姿の中から、俺は視線をキョロキョロさせ
見覚えのある後ろ姿を探し、そして数分もしない内に、目的の人物を目にし。

「おーいっ!」
「……、っ!」

俺は樹里奈を発見し、早速、手を挙げ彼女の元に駆け寄るが。
何故か、俺の姿を見るなり逃げ出し。

「あっ…」

その逃げ出す後ろ姿に、目を止め、その場で固まり。


それは、昼休みを知らせるチャイムが響いた後も、同じ事で。

「ねぇ!樹里奈」

声を掛けるや否や、急に背を向けだし俺を避け。

「別れたよ!…彼女とは、もう」

聞こえてるのかどうか分からない、彼女の去っていく背中に向かって声を掛け、自分の
思いを伝える。


「はぁ…」

俺は肩を落とし、夕暮れに包まれる中、薄っすらと暗い地面に目線を落とし学校を後に
する。

此間、楓にハッキリと別れを告げ、怒り心頭の彼女カラ強烈なビンタを受け、それは
想像以上に威力が凄く、今になってやっと痛みが治まって来た所だ。

この痛みはただの痛みじゃない、大好きな人に裏切られた楓の怒りと悲しみ
そして俺が本当に好きな人と、何の壁無く、向き合える為の軽い代償の様な物で。

あれから楓とは挨拶も交わして居ない、今更謝った所で逆効果、彼女に対して罪悪感で
一杯なのは確か。

しかもクラスの人から、その楓が今度は静岡に転校するって話を耳にし
素直に嬉しい…何て思えない自分が居て、増して楓からしたらどんな思いなのか
考えただけで、また胸が苦しくなる。
正直、好きなダケ(サッカーをする足以外)殴ってくれても良い、そんな気持ちだ

そんなこんなで、色々と考えを巡らされて居ると

「アラしゅう!、一人?」
聞き覚えのある活発的な声に、振り向くとソコに

「春華…」


「へぇー樹里奈がねぇ」

ゆっくりとした足取りで肩を並べ、お互いの影が重なり合い
俺は、樹里奈の一番の友人で、俺と樹里奈の為に、無理やり翼と共謀して
樹里奈と俺ダケの、水族館デートへと導いた春華に、彼女の先ほどの態度を打ち明けた

「…やっと俺、楓と決別して、本当の想いに向き合えたって言うのに、何で?
俺、何か彼女に嫌な想いさせちゃったのかな?」

「…しゅう、アンタは別にアノ子に、何かした訳では無いと想うよ」

「だったらっ!」

「…問題はアノ子自身にあるの」

「樹里奈、自身?」

「うん、…アノ子はずっと、ううん、ずっと前から、アンタをアノ日刺した頃からずっと
十字路を背負い思い詰めてるの…、「私は、浅はかな同情程度で窮地から救い、彼が
やっとの思いで、かけがえの無い幸せを手に入れたって言うのに、私はそれが面白くない
と、酷く自分勝手な感情を抱き、彼を殺そうとした…、そんな罪深い私が今更しゅうを
好きになって良い訳が無いっ!」…って涙ながら私に言って来て…」

「!!」

俺は脳裏に稲妻が走った様な、衝撃を受けた。

「…そんな、…そんなっ!……そんな、事…俺は、俺は…これっぽっちもっ!」

顔を強張らせ、急に声を荒げ

「アンタは良くても、アノ子は…、自分だって逆の立場だったら、楓サンと別れるのに
結構時間掛けたじゃない?」
「そ、それは…」

返す言葉も出ない…
まさか樹里奈がそんな、いや薄々気づいてはいたが、まさかそこまで





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