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秘密の出張
【OL/お姉さん 官能小説】

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秘密の出張-1

僕は急いで構内を駆け抜けた。
『新人くん、早く早く!』
階段を駆け下りると、先にホームで待っていた牧野先輩が大きく手招きをする。
「先輩、すいません‥‥はぁっはぁっ‥‥」
僕は全力で走った。牧野先輩のスカートが風にふわりと揺れ、ちょうど電車がギギギィッと音をたてながらホームに到着する。
『は〜良かったね?間に合ったじゃん』
先輩は誉めるようにポンポンと頭を軽く叩くと怒るどころかホッとした笑顔で僕に微笑んだ。もしこれが他の怖い先輩達なら確実に僕は怒鳴られ殴られ、置いてかれたことだろう。そんな牧野先輩は新入社員の僕にいつも優しく接してくれる。ブラウンのミディアムヘアーに控えめな頬のチーク、プルンとしたグロスを輝かせる清楚な印象の先輩は僕にとって言わば天使であり、お姉さんのような存在だ。
『はぁ〜すごい人‥‥』
すっかり先輩の笑顔に見とれていた僕はその声に我に返った。快速電車のドアが開くと足元も見えないぐらいの混雑ぶりだ。
『さぁ新人君、行こっか?』
「は、はいっ!」
電車に縁がなかった僕は今までこんな混雑を経験したこともなかった。ただはぐれないようにと先輩の後ろにひたすらついていく。
「痛ててっ‥‥うわぁ!」
『うっ‥‥んん‥‥!!』
ホームにいた客に紛れ先輩と僕は車内に乗り込んだが、すぐに体が揉みくちゃにされあちこちが痛くなった。先輩も体を弾かれ体格のいいサラリーマン達に圧迫されて小さく漏れた声が聞こえた。そして僕の背中に当たりながらドアはガタンと閉まった。電車はゆっくりと揺れ始める。僕のすぐ左は座席の仕切り板。右には大学生風の男が吊革に掴まり僕の右腕に背を押し付けてくる。目の前にいる牧野先輩もサラリーマン達の背中に圧迫され僕の胸にもたれ掛かっていた。身動きの出来ないこの窮屈な体勢がしばらく続くのかと思うと僕は早くも電車恐怖症になりそうだ。ゾッとしていると牧野先輩の髪やほのかに香る幸水が僕の鼻先をくすぐる。なんていい香りなんだろう‥‥。苦痛から癒しの世界に導かれていると、先輩が左手を後ろに回そうとモゾモゾ動いている。何をしているのかとその動きが気になった。顔を動かす事が出来ず視線だけを下に落とすと僕は驚いた。
「‥‥!?」
牧野先輩のギャザースカートがお尻の半分ぐらいまで捲れ僕のお腹の下あたりでくしゃくしゃになっているのだ。
「はっ‥‥先輩‥‥」
僕は思わず小さく呟いてしまった。
『‥‥‥‥!!‥‥』
声に気づいた先輩の肩がビクンと奮える。気づかれたことが恥ずかしかったのか、牧野先輩は首を小刻みに揺らし手を引っ込めた。僕は記憶を辿る。乗り込んだ瞬間カバンが邪魔になるからと上に持ちあげたあの時、カバンの角が牧野先輩のスカートの裾を引っ掛けてしまったようだ。
「す、すいません‥‥」
僕は小さな声で先輩に謝った。牧野先輩はコクリと首を縦に振るが、カーブに差し掛かった電車の重力がイタズラし先輩の背中を僕の胸に押し付ける。僕は右腕にカバンをつけ左手で手すりを握って踏ん張った。ドアに擦れる背中が痛い。でも先輩の温もりを感じるとおかしな感覚に陥ってしまう。
『んん‥‥』
先輩も後ろの後輩にもたれまいと気を遣うが重力には勝てない。


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