投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

君を救いたいの最初へ 君を救いたい 40 君を救いたい 42 君を救いたいの最後へ

二人の罪-7

「雪は溶け始めて、暖かくなってきたケド、まだちょっと寒いね」

やや暗い天気の下、彼は柔らかい顔で私にそう振り。

そう言われたせいか急に腕辺りに、寒気がし無意識に手の平で暖め・・
その姿を目にした彼が

「あ・・・」

懐かしい感触
私の肩に、ゆっくりと彼のコートが被され。

「・・しゅう」

「良かったら、タクシーで家まで送ろうか?、疲れたでしょう?」

ドキッ

更に増した柔らかい顔で私の身を案じる

やめて

私の好きな貴方にならないで・・

そんな事されたら・・

私は、私は・・


結局私は、彼の優しさに乗った、別に疲れても無いし、そんなに寒くは無かった・・
ただ彼の大好きな所に甘えたかった。

「ホントにいいの?半分出すよ?」

家に到着し、私は彼に声を掛けるも

「大丈夫だって!俺も丁度乗りたいって思ってたから・・」

彼らしい・・、そう言い残し運転手さんに「行って下さい」と言い、ドアが閉まり
私は名残惜しそうに無意識に触れてたドアを放し、早々に他の住宅街へと去って行った

「しゅう!」

私は、届く筈も無い彼の消えてった方へ彼の名を叫ぶ・・。


「ねぇ、樹里奈」

「樹里奈ってばぁっ!」

「・・・・何よっ!」

「昨日の事、怒ってるの?」

「当たり前じゃないっ!・・、いい?私と彼はもう付き合って無いの!いわば赤の他人!
そんな人と水族館でお魚サンを眺めて何が楽しい訳?」

私は目を尖らせ、春華に想いの憎しみを吐き出した

「ごめーん!でもこれもアンタの為何だよ?アンタは彼の事が好きで、一緒に居ようと」

「だから何!?それは叶わない事だって春華だって解ってるでしょ?・・それなのに無理やりくっ付けて・・、私があの後どんなに苦しんだか解るっ!?」

私の怒号に、春華は怯む事は無く、更に反論をし出し

「解って無いでしょ!?、アンタは、彼は既にあの日彼を行き成り刺し、長い間会わなくて、それで自分に愛想尽かし楓サン一筋に生きる、・・だから自分何かもう眼中に無い
・・何て思ってるんでしょうけど」

「だってそうで」

「確かに彼から聞いた話じゃそうだった、もう二度と会えないと分かった彼は、苦しみながらも、アンタと言う存在を消し、楓サン一筋で行こうって・・」

「・・それでも彼がアンタを愛する大きさは強かった・・、楓サンは確かに転校して来て
クラスのムードメーカーの様に明るい存在で、彼も彼女といて楽しい一時を過ごした・・
でもっ!それでも彼は何かが足りないって・・それが何だか分かる!?」

「・・それは」

「ぬくもりよ」

「え?・・」

「以前、アンタが入院してた時、しゅうが練習中転んで怪我をした事があったの」

「怪我事態は大した事は無かったケド、その時大事な試合を間地かに迫っていたらしくて
彼はその時、精神的にちょっと参っていて・・」

「それじゃー、楓サンが彼に付き添って」

「と思うでしょ?でも彼女はしなかった、それ所か「大袈裟だよー」って笑い飛ばして」

「そんな・・」

「まぁ、それで楓サンが薄情とかそう言う訳じゃないんだけど、彼からしたら・・ガッカリと言うか、昨日の水族館に彼と楓サンも行ったんだけど、そこでも・・何か気が利かなかったとかで・・」

私の頭の中で、楓サン人物像が浮かび上がる・・うっすらと悪いイメージで

「・・アンタだったら・・どうする?そういう時」

「そりゃー、側についてるよ、一人にする何て可哀想だし、水族館だって」

その答えを待ってました、・・とでも言わんばかりニコッと唇を上げ

「・・彼は、しゅうはそれが欲しかったのよ、アンタのそういう所を」

次第に、春華の言葉の意味が解って来て、目をハッと見開く

「そっか・・そう言う事だったんだ」

何かがスーと音を立てず消え去って行き、学校へ向かう自分の影に視線を落とし。

「・・ゴメン春華・・怒鳴ったりして・・私の事を真剣に思ってやってくれてたのに」

「私こそお節介だったよね・・、でも良かった、これで樹里奈は本当の笑顔を取り戻せるねっ!」

「春華・・」

ふいに涙が浮かぶ、私・・春華と友人で本当に良かった。

ありがとう・・春華
私、もう少しダケ、勇気を出してみるよ。



君を救いたいの最初へ 君を救いたい 40 君を救いたい 42 君を救いたいの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前