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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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メイ-18

車内の温度が一気に下がってしまったような気がした。


自分の失言に心の中で舌打ちするも、後の祭りで。


そんな気まずい空気の中、救いを求めるようにメイを見れば、彼女はあたしの膝からピョコンと降りて、助手席に飛び乗ってしまった。


やっぱり猫も空気というものを読めるのだろうか、メイは、さも自分は関係ないとでも言いたげに、前足で寝るポジションを作り始めた。


そんな彼女の様子をただ見つめるだけのあたし達。


おそらく久留米さんも、一人(一匹)蚊帳の外の彼女が羨ましいと思っているらしく、黙ってメイの動きを見守っていた。


メイが移動した助手席には、あのフォトフレームが置かれたまま。


おそらく、あたしが叩きつけるようにそれをシートに置いて車を飛び降りた、あの時からのものだろう。


それが視界に入った瞬間、あの日のことが甦って、奥歯に力が入ってしまった。


あの写真のことに触れたりしなければという後悔が再びあたしに襲いかかり、自然と眉をしかめてフォトフレームを睨み付けてしまう。


あたしが複雑な想いでそれを凝視する一方で、そんな事情など露知らずのメイは、自分がそこで丸まって眠るのにそれが邪魔だったらしく、なんと前足を器用に使ってフォトフレームを座席から追いやったのだ。




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