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磯崎恵利子 15歳の受難
【レイプ 官能小説】

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羨望の桜貝 ☆-1


 藤岡精児の邪な思惑よりほんの少し時は流れて、2006年 4月10日 午前8時30分

   ・・・女子高生 磯崎恵利子・・・

   磯崎恵利子 15歳 高校一年生

 双子の妹たち汐莉と若菜も10歳に成長していた。
朝の通学電車内。
「……」
恵利子の鼻孔奥の感覚器官を刺激する臭い。
高校入学にあたって電車を使用しての通学になると、毎朝この臭いに悩まされていた。
バスを使う手もあったが、何れにしても満員状態の不快さとこの臭いは免れる事は出来なかった。

 香りに対して鋭敏な感覚を持ち合わせる恵利子にとって、見知らぬ人間たちに囲まれ長時間過ごさねばならない空間は拷問にも近い感覚であった。
狭い車内にいろんな臭いがたちこめる・・・
その匂いは安価な香水や整髪料にはじまり、喫煙者の煙草の臭いや口臭体臭までいろいろな臭いが混ざり合い悪臭となる。

 程度の差こそあれ前述の匂いなら個人の趣味趣向もあり取り立てて不平は言わない。
実際恵利子自体も淡い香りの香料は好んでいた。
元来日本人は体臭の少ない民族である。
欧米の白色人種が強い香りの香料をその身に付けるのは、その食生活から強い体臭を持つ為である。
その強い体臭を前提に強い香りの香料が計算され配合されている。
従って日本人には香りが強すぎて不向きなのである。
もっとも近年の日本の食生活はほぼ欧米化しているので現在においてはマッチしているのかもしれない。

 通学中の車内で恵利子を悩ませるのは後述の臭いの方たちである。
女系家族の磯崎家にあって当然喫煙者はいない。
親類等磯崎家を訪れる来客者においても喫煙者は皆無であった。
自分の父親と同年代の会社員通勤者においてにわかに信じがたい悪臭を放つ存在がある。
不潔な状態の頭髪から発せられる異臭、喫煙に合わせて飲用したであろう珈琲との混合口臭は正にごみ溜めの臭いである。

 人間が生きている以上その上で発せられる発汗を伴う体臭は個人差こそあれ止もう得ない。
少女期にありがちな潔癖症の恵利子も十分理解出来る。
しかし父親を含め今まで自分の周囲には無かった臭いたちに耐えられるまでにかなりの時間を要する事になる。

 そこに恵利子を不快にさせる事が、高校入学以来の通学電車内で起こっていた。
「……、もう嫌」
恵利子は心中にてそう呟きながらも判断に迷う。
何とも微妙な感じである。
単なる偶然なのか、それとも意図を持った行為なのか?
大人しそうな外見に反して芯が強い恵利子は、痴漢の様な卑劣な行為が許せなかった。
その可憐な容姿からか幾度となく痴漢行為を経験していたが、その大人しそうな外見に似合わずハッキリとした意思表示で対処して来た。

 しかし本来思慮深い恵利子にとって、自意識過剰な馬鹿少女とも思われるのは心外である。
それ故、今自分を不快にさせている状況の判断に迷っていたのである。
狭い車内で日々利用する通学電車である。
当然使用する時間帯は同一で、乗り合わせる乗客も毎日変わらぬ顔ぶれである。
万一自分の勘違いであれば周囲に迷惑をかけた上で、失笑をかうのは自分自身である。

 大体こんな目に遭っているのも、もとはと言えばあの男のせいである。
恵利子は忌々しく、第一希望高校受験日一週間前の事を思いだす。
その日恵利子は書店に立ち寄ると気分転換に恋愛小説を購入する。
両親に妹二人の女系家族にあって、恵利子は幼い頃から「夢見る乙女」的少女であった。
言い方を変えれば、「赤毛のアン」を地で行く様な少女と言ったところである。
加えて元数学教師の母親は異性交遊に対し過干渉気味でもあった。
中学時代に何人からか交際の申し込み告白もあったが、恵利子の答えは常に「NO」であった。

 自分の容姿に少なからず自身が有った事も手伝ってか、恵利子の理想は高く「いつか自分に似つかわしい素敵な王子様が現れる」と真剣に信じていた。
更に母親の貞操観念が、幼き頃より恵利子の脳には性教育として刷り込まれていた。

(女は好きになった人と結婚しその人とだけセックスしその子を産む)

つまり恵利子にとっての性行為は婚姻の上での行為、セックス=結婚であった。



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