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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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-6


まだ夕方だって言うのに、したたか酔ってお店を出ると冷たい風が身体を通り抜ける。
もう少し、この人と一緒に居たくなって
「ね。車を置きに帰って飲み直そうよ」
と、提案してみる。

いつもはこんなことしないのに、なんとなく誘うように
上目遣いで見れば私がしがみついていた腕を外し
私の肩を抱いて引き寄せた。

「希望ちゃん。それはすごく魅力的なお誘いだけど。
言ったよね。俺が欲しいのはオトモダチじゃないんだよ」

優しく笑いながら運転する山田さんの考えていることが良く分からない。
ついこの前、はじめて会って、昨日今日、話すようになった。

そんな私の愛が欲しいという。


「もっと一緒にいたいけどごめんね。俺これから仕事なんだ。
今日は部の奴が会社に出てて、最終チェックは俺がしなきゃいけなくて」

そう言いながら、家の前で車を止めた山田さんは
身を乗り出して私のこめかみにキスをした。

そっか。経管って土曜日でも仕事なんだ。
お父さんも土曜日に家にいたことはなかったな。

そんなことを考えながらこめかみのキスを受け入れていると
いきなり顎を持ち上げ目線を合わせたままキスをした。

ゆっくりと舌が口内に入り込み
歯列を確かめるように舐め
私の舌を絡めとった。

「んっっ・・・・ん・・・」

唾液を送り込まれ彼の唾液を飲み込む。

息つく暇もなく荒々しくいキスされ
お互いに息を弾ませて唇を外した。

「今のは今日の分のお礼ね」

もう一度こめかみにキスをすると私のシートベルトをはずして
ドアを開けてくれた。

「俺、どんな手を使っても希望を手に入れるよ。」

ボーっとしたまま車を降りた私ににっこり笑いかけた後
パタンとドアを閉め、走り出す。

私は思わず自分の口元に手を当てた。

イヤなやつ・・・・・




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