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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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好き、だけど・・-8

そして5時間目の授業が終わり、クラスメート達が開放感に満ち溢れ

「んんーっ!いやー山センの授業、ほんっと退屈っ!」
席を立つと同時に、両腕を天井に挙げ、背伸びする楓・・、彼女もその一人。

「なぁ、佐藤・・怪我したらしいが大丈夫なのか?」
「あぁ、何か軽いアザが出来た程度だって・・」

俺と親しい男子が、怪我した俺の心配をする

「ねぇねぇ、それ有名ミュージック誌の新刊じゃない?私にも見せてっ!」

机を囲み、4人くらいの女子達がその雑誌を読んで楽しむ輪に、入り込もうと
彼女達の所へ駆け寄る楓。

「えっ?・・あぁ良いけど。」

目を輝かせ、その雑誌に目をやる楓、しかし回りのその女子達は曇った表情で、楓を見つめる・・。

「へぇー、マジで!・・ほほぅー、ねぇ知ってた!皆!?」

空気を感じず、首を挙げ女子達に目をやるも、笑って無い彼女達の顔に、異変を感じ

「・・どうしたの、皆?・・ねねっこの歌手チョーカッコ良くない!?」

そんな彼女達に構わず場を盛り上げようとする楓に、痺れを切らした一人の女子が
口を開く。

「・・今、そんな事してる場合?」
「そうだよ、彼・・今も保健室で一人ぼっちなんだし・・」

続けて他の女子も、言葉を付け足し

「えっ?あぁ何かアイツ、怪我したんだってね」

楓もクラスから、俺が練習中に怪我をした事実を、耳にした様だが・・
彼女の、あっけらかんとした態度に、ムッと来た女子が今度は眉を立て言い寄る

「怪我した・・、じゃないでしょ!パートナーが危険に晒されたんだよ!
何かする事あるでしょ!?」
「・・する事って?」

楓の予想外の返答に、女子達はあっけらかんとし、お互い顔を合わせ

「・・心配じゃないの?佐藤君の事?」
俺らの仲は、クラス内でも知らず内に知れ渡っている様だ

「そりゃー「あらぁ」とは思ったよ、でも大した事ないじゃん」

女子達の真意を、感じた楓が今度は反論に出て

「そんなぁ皆大袈裟だよぉー、ちょっと転んだダケでしょ?それをまぁ言うに事かいて
んな険しい顔しちゃってさぁ」
「でもっ!」
「だーいじょーぶっ!アレはそう簡単にくたばりやしませんて」

本気で心配してない楓、その様子をついさっき保健室から復帰した俺が、見つめ

「・・あ、佐藤君!」

何気に後ろを振り向いた一人の女子が復帰した俺に声を掛け、それにつられ他の女子も
俺の方に視線を移す、勿論楓も・・。

「大丈夫、佐藤君?」
「また、無茶したんでしょっ!」

心配の声を、次々にあげてくれる彼女達に

「ゴメン心配掛けて、そして有難う・・、俺なら平気、本当にちょっと転んだダケだし」

建気に、笑顔を作り礼を言い、俺のその言葉を耳にした楓が

「ほらご覧よ!、本人が大丈夫だって言ってんじゃない、大袈裟だよっ」

何処か得意気な顔をする、女子達はそれに何処か納得行かない表情を浮かべる
これも楓なりの心配の仕方、何だろうケド・・


「・・あの子なら、あの子なら、こんな時」

その様子を遠くで見つめ、語る春華。




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