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鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

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終章 夢幻-3

 ピンクのシーツの上でお尻を掲げ、快楽に悶えているのは、ここ二カ月の間に売春倶楽部で一番人気を博した、報道部の部長、橘沙羅であった。ミニスカートに黒の二―ハイ姿で男を誘うプロモーションビデオは、身持ちの堅い有力者をも惹きつけ、殿方の相手を務めていた。もっとも、今身につけているのは、太ももの中程までを覆うソックスだけだが。 
 「ぐひひ‥、ほれ、どうした、儂のものは気持ちいいか」
 裸の尻を抱え、今や欲望も剥き出しに涎を垂らす初老の男は、誰あろう。現内閣で文部科学大臣を務める森山清五郎氏である。彼は、表向きには「現代社会における教育革新の必要性」という講演会の講師として、学院に招かれたことになっているが、その実、理事長の手引きにより、売春倶楽部で特別講義を実演している。
 「あふっ!‥ああん、いい‥いいのぉ〜‥、もっと、もっとあたしをおかしくしてぇ〜」
 乱暴に責め立てられながらも、主導権を握っているのは橘沙羅の方だった。巧みに腰を揺すっては男を弄し、はしたない声で喘いで見せては征服欲をそそらせる。やがて男の精力を絞りつくしたら、麻薬で夢見心地にさせ、直哉様の忠実な協力者となるよう教育を施す。我が主の王国は、盤石の体制で発展を続けていた。
 ああ、直哉様こそ権力の頂点に立つにふさわしいお方であり、日本の未来を担う尊い存在。その直哉様の寵愛を一身に受け、これからも傍らに立ち続ける羨むべき女性。彼の顔を見るなり、綾小路さん‥、いえ、直哉様の伴侶となられる紫織様の顔に、輝く様な喜びが広がる。
 「直哉さまぁ」
 甘えるような声に、直哉様も紫織様の入室に気付き、嬉しげな表情を浮かべる。群がっていた女性達を払いのけると、抱きついてきた紫織様に押し倒され、一緒にベッドへ倒れ込む。
 「直哉様、ああん、愛しの直哉さまぁ、‥二日もお会いできなくて寂しゅうございましたわ」
 「こらこら、甘えん坊だな紫織は。どうしたんだ、帰りは明日になると聞いていたぞ」
 「直哉様に少しでも早くお会いしたくて、予定を切り上げましたの。それに今日は朗報をお持ちしましたのよ」
 息を弾ませ、紫織様は直哉様の上に跨り乗り、制服の上着を脱ぎにかかる。もどかしげな表情が求めているものは明らかだった。
 「ほぅ、どんな吉報かな」 
 ブラウスから胸元のリボンを解く直哉様は、愉悦の表情を浮かべている。紫織様は耐えかねたように顔を近づけると、情熱的な口付けを交わす。クチュクチュと音を立てお互いを貪りあい、顔を離すまでに長い間があった。
 「はぁっ‥、ようやくお御祖父様を説得できましたの。近いうち鳳学院をご視察に訪れて頂けますわ」
 「何っ、本当か!」
 「ええ、私、直哉様のために頑張りましたのよ。ですから‥、ご褒美に‥」
 ブラウスをはだけ白い肌をさらしながら、紫織様は妖しい笑みを浮かべ、流し目を送る。その仕草には同性の私から見ても色気を感じさせるものがあり、ゾクリとさせられる。
 「でかした紫織、はははっ、いいぞ、綾小路家の長老を教育できれば、日本を手に入れたも同然だ」


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