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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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「野口。俺恋に落ちたかも」
「は?」

俺は経営管理部に戻って、すぐに隣の野口に伝えた。

最近こいつは自分が彼女とラブラブだからって
俺と飲みに行くことも少なくなった。

「お前、この前人事名簿のパス知ってたよな?」
「ああ」
「あれ上に報告した?」
「いや。まだ」
「ナイス。教えて」
「良いけど。なんでだよ?」

「お前と同じだよ。社内で一目ぼれした。名前は分かったんだけど
そのほかの、部とか調べたい」
「そーゆー個人的なことに会社の人事名簿は使わせない」

言うことに反してこいつはニヤニヤした。
お前だって、必死な顔して人事名簿見てたじゃね―かよ。
だいたい、パスが何カ月も変更になってないって
上に報告してない時点で、お前のがダメだろ!

「ビール1杯」
「安いパスだな?知りたいことはもっと高いんじゃないのか?」
「・・・・こんどおごるよ」

「しょうがないな。ただし、俺もその子の名簿見るからな」

二人で就業中だって言うのに
クソ長いパスを入力し、人事名簿を開けて
さっきの新田希望ちゃんを探し当てた。

さすがフルネームが分かっているだけあって
検索してから物の1分でたどり着く。


新田希望(ニッタ ノゾミ)
1987年生
2010年入社
私立S女子大学卒業
経理部所属

「ふ〜ん。この子?」
「S女か。お嬢じゃん」





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