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鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

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第4章 会合-20

 「実は直哉様を悩ませる報道部の件でお伺いしましたの」
 「ほぅ‥、先生はどこでその件をお知りに?」
 「はい、先日喫茶店で橘部長が桐生副会長と話しているのを不審に思い、私なりに調べてみました」
 さすが優秀な教師はそつがない。まったく、この有能ぶりをこいつらにも見習わせたいものだ。壁際に佇む伊集院と早紀に一瞥をくれ、続きを促す。
 「その前に報道部の顧問として、監督不行き届きがあったことをお詫びさせて頂きますわ」
 「そう言えば、先生は報道部の顧問でしたね」
 「はい、それで直哉様へのお詫びとお役立ちを兼ねて、彼女を連れて参りましたの」
 その無邪気な笑みは、あくまで俺の役に立つことを考えてものだろう。桜井先生の招きに応じ、生徒会室に一人の女生徒が姿を現す。学年を表す青いリボンは同学年であることを示しており、どこかで見た顔ではあるが、下僕の中には見覚えがない。女生徒はまっすぐ前までやってくると、他の下僕同様、足元に跪いて首を垂れる。
 「お前は‥誰だ?」
 「はい、二年C組報道部所属、大河内紫苑と申します」
 報道部を名乗る女は面を上げると、上品な微笑みを浮かべてみせた。


 な・な・な・なんですって〜!?
 しおりんは感情を交えず淡々と語るけど、あたしはそれを愕然としながら聞いていた。
 どういうことなの、医務室で入院した子が学院に従順な生徒に変わっちゃうって?瀬里奈の抱えていた葛藤を聞いてしんみりした気分になっていたのに、それどころじゃなくなっちゃったわ!
 つまりこう言うこと?この鳳学院で、学校ぐるみの洗脳が行われてるってわけ?もしこれが事実だとすれば、とんでもないことよ。それこそ学内に売春組織がいるどころの騒ぎじゃない。
 確かに、言われてみればあたしのクラスでも風邪で休む生徒はいたけど、しおりんに指摘されるまでおかしいなんて思ったこともない。そう言えば先週だったかな、ともちゃんが風邪で休んだのって。あ、そのちょっと前には都築君も休んでる。
 「以上が私の調べた結果です。私見で構いませんが、何かお気づきになったことはありませんか?」
 九条会長と昼の会談に臨んだ所までの経緯を説明し、しおりんは話を締めくくる。思いもよらぬ話にあたしは思わず瀬里奈と顔を見合わすけど、彼女の顔にも同じように驚きの表情が浮かんでいた。
 「瀬里奈、A組で風邪ひいた子って誰がいる?」
 「‥ちょっと待って、‥ええと、奈良崎でしょ、仁科に‥川久保、それと曽根原も三日ほど休んでたわね」
 「最後の方はおそらく本当に風邪をひかれたのでしょう。疑わしきは約半日入院し、PL剤なる薬物で治療された方です」


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