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forget-me-not
【女性向け 官能小説】

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気の置けない存在-10

それだけに、陽介の友達申請は警戒してしまう。


話してみると、チャラい見た目の割りにいい人だなって思うことはあるけど……。


でも、男と女なんて砂上の楼閣みたいな脆いもの。いつ、どう変化するかわからない。






「どうしたの? 難しい顔しちゃって」


昔のことを考えていたあたしは、ついついそれが顔に出ていたみたい。


キョトンと目をクリクリさせてこちらを見ている陽介は、決して悪い人じゃないような気がする。


でも、それだけに友達として付き合ったとして、万が一それを裏切られたとしたらショックは大きいに決まっている。


友達としての付き合い方なんてまるで知らないあたしには、友達を作るのが怖い。


「ごめんね。あたし……やっぱり友達は……」


「あー、わかった。俺が変な下心持ってんじゃないかって警戒してんだろ?」


言いかけたあたしの言葉を、陽介のアルトボイスが遮る。


「あの……えっと……」


「まあ、警戒されてもしゃあないよな。ナンパまがいな真似して声かけちゃったし」


予想に反して、陽介はカラカラと明るく笑っていた。


「ごめん、だからやっぱり友達ってのは……」


それに対して、あたしはと言えば、なんだか告白を断る時のあの後味の悪さが甦って、心なしか口の中が酸っぱくなるような気がした。


なのに、陽介はまたあのイタズラっぽい笑みをこちらに向ける。


「大丈夫。俺、ちゃんと線引きできるから」


「は?」


「俺、くるみちゃんに絶対友達以外の感情を持たないから、そんな警戒しないで?」


陽介は、どこか自信ありげな顔つきで食い下がってきた。


でも自惚れるわけじゃないけど、男と女である以上、純粋な友情が成り立つ確証はない。


「……なんでそこまでして友達になりたがるの?」


この人なら、女の子の友達だって望めばすぐに出来るはず。


別に、あたしじゃなくてもいいじゃない。


訝しそうに彼を見るも、涼しい顔でシシシと空気の漏れるような笑い方をする。


そして、


「くるみちゃんの前だと自然体でいられそうだから、かな」


とだけ言うと、ラーメンをズルズル啜り出した。




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