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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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垣間見える過去-11

塁はヨリを戻したくて会いたがるあたしに、“セフレとしてなら会ってやる”と予防線を張った。


多分それは、しつこいあたしを突き放しきれない優しさと、ヨリを戻したくないという厳しさの末に出した塁の答え。


セフレと言う言葉にあたしが嫌悪感を示して、自分から離れていけばいいと、そう思ってそんな提案をしてきたのかもしれない。


それでもあたしはそれを受け入れた。


まさかそれを受け入れるとは思わなかった塁は、以前のようにあたしのことを思いやるような抱き方はしなくなった。


欲望のままにあたしを辱めて、満たすだけの愛のない行為を彼は何度も繰り返してきた。


そうして自分の都合に合わせて、好き勝手にあたしを抱く塁をズルい男と思う時は何度もあった。


けど、本命がいながら他の娘と付き合っていたという久留米さんの話を聞いたら、期待させない分だけ不思議と誠実に感じる。


考えたら考えるほど、誰のしていることが正しいのかわからない。


胸を張って言える関係じゃないのにそれを続けるあたしと、割り切った関係をキープしながら他の娘を好きになる塁。


そして、好きな人がちゃんといるくせに他の娘を彼女にしていた久留米さん。



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