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妖怪艶義〜八尺様〜
【OL/お姉さん 官能小説】

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彼は、腰を引いた。-2

5
翌朝、俺は全裸で縁側に寝そべっているところを発見された。
俺を発見したKさんはほっとした様子で、俺の肩をばんばん叩いてねぎらってくれた。(正直かなり気まずかったが。)

その晩、Kさん宅に村人も集まり、大宴会が催された。
昨日の晩もすごかったけど、この日はさらにその上をいっていた。そして訪れた人は一様に、俺を見つけては「よくやった」とねぎらってくれた。


宴も果て、今度は誰に言われるでもなく縁側で涼んでいると、友達がやってきた。
その時の話を要約するとこうだ。

――何も言わず、だまして連れてきて本当に悪かった。

――実はこの村こそ、都市伝説に語られる‘八尺様’がいる村だ。でも、その実態は伝説とは異なる。
実際はお前が体験したとおり、年に一度、若い男の精を捧げることになっていて、そのために毎年、村外から男を呼びこむ。

――でも、そんな風習が世間に理解されるわけがない。
そこで、あえて村の人間が、都市伝説という形で「八尺様」を広めた。

「若い男を性的に襲う」という話ではなく、「子ども――長身で長命の八尺様にしてみれば、若い男も‘子ども’みたいなものだ――を(単に)襲う」話として。

村が連綿と執り行ってきた隠微な風習を、世間に知られないために。

「まぁ唯一の誤算は、俺が作った『八尺様』が思いのほかネットで話題になっちまった、って事か」と、友達は話を締めくくった。


で、翌朝Kさんからも謝られて(まぁ、実際‘イイ思い’をしただけだからこっちが感謝したいくらいだったけど)、俺は無事こっちに戻ってきた。

休暇明けには友達とも普通に再会して、今でも付き合いは続いている。





この前、その友達からメールが届いた。

別にメールが来るのは珍しくないんだけど、その内容が、「八尺様を封じていた結界の一角が壊れた」って話だった。

・・・・・もう会ったのは数年前になるけど、正直、また俺に逢いに来てくれねぇかな〜…なんて、今思ってる(笑)





これが、私が友人から聞いた話だ。
友人によるとこの話は、彼の友人の身に実際に起こった出来事らしい。
要するに、私の友人の友人の体験談、ということになる。


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