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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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少しだけ、揺れる-7

こんな鉄仮面男、浮いた話一つなくて当然だわ。


泣きそうな気持ちがムカつきに変わると、あたしはフンッと鼻息荒くライターを取り出した。


今度はちゃんとコンビニで買ったライター。
ガスもたっぷり入ってるし、もう恥はかかないはずだ。


カチリとライターを着火し煙草に火を点け、鼻から煙を吐き出すという女としてはあまり好ましくない動作をしていると、ふと視線を感じた。


鼻から煙なんか出してるもんだから、ヒいてるんだろうか。


でも、コイツにはどう思われたって構うもんか。


なんならこないだ睨まれたお返ししてやろう。


あたしはこないだ久留米さんにされたように、眩しいものを見るような目つきでジロリと彼にガンを飛ばしてやった。






しかし、彼はあたしのガン飛ばし攻撃もどこ吹く風で、未だに視線を外さない。


それもそのはず、彼はあたしを見ていたわけじゃなく、あたしの手元――正確には、コンビニで買ったピンクのライターをジッと見つめていたから、あたしの鋭い眼差しに気付いていなかったのだ。






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